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履歴書・職務経歴書 7分で読める

履歴書の職歴が多い場合の書き方|欄が足りない・転職10回以上の対処法

履歴書の職歴欄が足りない、転職回数が多くて書ききれない——そんなときの実務的な対処法をまとめました。省略していい範囲、別紙・職務経歴書への振り分け方、転職5回・10回以上の記入例、派遣や短期の書き方まで、そのまま真似できる形で解説します。

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30秒でわかる結論

職歴は原則すべて書く。書ききれないことを理由に伏せると、経歴詐称として扱われるリスクがあります。

足りないのは「欄」であって「資格」ではありません。下の順番で対処すれば、転職10回以上でも1枚に収まります。

  1. 行数の多い様式に変える(A3版・Excel様式)
  2. 1社=1行にまとめる(入社と退社を同じ行に)
  3. それでも溢れる分は「詳細は職務経歴書に記載」で振る
  4. 派遣は「派遣会社名」を親、「派遣先」を子にして数を圧縮する

まず前提:職歴を省略すると何が起きるか

転職回数が多い方から最も多く受ける質問が「全部書かないとダメですか」というものです。結論から言えば、書かないという選択は勧められません。理由は心証の問題ではなく、契約上のリスクだからです。

最終学歴や職歴といった採用判断上の重要な経歴について虚偽の申告をした場合、懲戒解雇が有効と判断された最高裁判例があります(炭研精工事件・最高裁平成3年9月19日判決)。採用選考は相互の信頼を前提とした契約であり、企業が必要かつ合理的な範囲で経歴の申告を求めた場合、応募者は信義則上その事実を告げる義務を負う、という考え方です。

また、実務上も入社後に判明することが少なくありません。雇用保険の被保険者証や年金記録の手続きで前職の情報が会社に渡るためです。職歴詐称のリスクについては別記事で詳しく整理していますが、「書ききれないから省く」は解決策になりません。

逆に言えば、正直に全部書いたうえで読みやすく整理することが、転職回数が多い人の履歴書における唯一の勝負どころです。以下、その具体的な方法を順に見ていきます。

職歴欄が足りないときの4つの対処法

対処法1:行数の多い様式に変える

意外に知られていませんが、履歴書に「これが正解」という決まった様式はありません。長らく基準とされてきたJIS規格の様式例は、2020年(令和2年)7月に日本規格協会がJIS規格の解説から削除しており、現在は存在しないためです。

その後、公正な採用選考を確保する観点から厚生労働省が作成したのが「厚生労働省履歴書様式例」です。A3版・A4版がPDFとExcelで公開されており、無料で使えます。市販の履歴書用紙で職歴欄が足りない場合は、まずExcel版をダウンロードして行を追加するのが最も簡単な解決策です。

なお、応募先から様式の指定がある場合は必ずそれに従ってください。指定がない場合に限り、自分の経歴が最も収まりよく見える様式を選ぶ、という順番です。

対処法2:1社=1行にまとめる

職歴欄は「入社」と「退社」で2行使う書き方が一般的ですが、転職回数が多い場合は1社1行にまとめても問題ありません。

通常の書き方(2行) まとめた書き方(1行)
2018年4月 株式会社◯◯商事 入社
2021年3月 一身上の都合により退社
2018年4月〜2021年3月 株式会社◯◯商事(法人営業)

この書き方にすると、5社経験していても5行で済みます。ただし直近1〜2社は採用担当者が最も知りたい部分なので、そこだけは通常どおり2行で書き、部署名や職種も添えるとメリハリがつきます。

対処法3:溢れた分は職務経歴書に振る

それでも収まらない場合は、古い職歴から順にまとめ、職歴欄の最後に一行添えます。

2015年4月〜2018年3月 株式会社△△(詳細は職務経歴書に記載)

ここで重要なのは、会社名と在籍期間は省略しないという点です。省いていいのは業務内容の詳細だけです。職務経歴書側には全社分を時系列で並べ、直近やアピールしたい職歴だけ厚く書きます。振り分けの具体的な考え方は転職回数が多い人の職務経歴書で解説しています。

対処法4:派遣は「派遣会社」を親にして圧縮する

派遣で複数の企業に就業した経歴を、就業先ごとに入社・退社で並べると、実際の転職回数よりはるかに多く見えてしまいます。雇用契約を結んでいる相手は派遣会社なので、次のように書くのが実態に合っています。

2019年4月 株式会社□□スタッフ 登録
(派遣先)◯◯株式会社 経理部 請求書処理・月次決算補助(2019年4月〜2021年3月)
(派遣先)△△工業株式会社 総務部 備品管理・来客対応(2021年4月〜2022年9月)

契約社員・嘱託などの雇用形態も、会社名の後ろに「(契約社員)」と添えておくと、期間の短さが本人都合の離職ではないことが伝わります。派遣・契約社員の書類の書き方もあわせて確認してください。

記入例:転職5回・10回以上のケース

転職5回(正社員のみ・30代)の記入例

年月 職歴
2013年4月〜2015年3月株式会社◯◯システムズ(システム運用)
2015年4月〜2017年8月△△ソリューション株式会社(社内SE)
2017年9月〜2020年3月株式会社□□テック(インフラ設計)
2020年4月〜2023年6月◇◇株式会社(情報システム部 主任)
2023年7月株式会社▽▽ 入社(情報システム部)
現在に至る

古い3社は1行にまとめ、直近と在職中の会社だけ部署・役職まで書いています。職種が一貫していることが縦に読んで伝わる形になっているのがポイントです。

転職10回以上のケース

10社を超える場合、すべてを同じ粒度で書くと職歴欄だけで履歴書が埋まってしまいます。次の3段構成にすると読み手の負担が減ります。

  • 直近2社:会社名・在籍期間・部署・職種を通常どおり記載
  • 中間期:1社1行で会社名と在籍期間のみ
  • 最初期:「(詳細は職務経歴書に記載)」を添えて圧縮

加えて、応募先が知りたいのは「なぜ多いのか」ではなく「うちで続くのか」です。職務経歴書の冒頭に3〜4行の職務要約を置き、業界や職種の一貫性、あるいは転職のたびに広がった業務範囲を先に示しておくと、職歴欄の読まれ方が変わります。

短期離職・ブランクがある場合の扱い

在籍が数か月の会社があっても、雇用保険に加入していたのであれば記載します。隠しても手続きで分かることが多く、書いたうえで説明するほうが結果的に印象が良くなります。

離職期間が空いている場合、履歴書側では在籍期間を正確に書くにとどめ、理由は職務経歴書や面接で述べる形にします。療養・介護・育児・学び直しなど事実をひとことで示せば足り、履歴書に長い言い訳を書き込む必要はありません。ブランクがある場合の履歴書もあわせてご覧ください。

なお、退職理由を職歴欄に細かく書く必要は基本的にありません。会社都合の場合のみ「会社都合により退職」と明記すると、本人の意思による短期離職ではないことが伝わります。

転職回数の数え方

「転職回数」に公的な定義はありませんが、実務上は雇用契約を結んで働いた勤務先の数から1を引いた数として扱われるのが一般的です。3社経験していれば転職2回です。

  • 数えるもの:正社員・契約社員・派遣社員・嘱託など、雇用契約に基づく勤務先
  • 通常数えないもの:学生時代のアルバイト、単発・日雇いの仕事、業務委託での受注先
  • 迷いやすいもの:グループ内の転籍・出向は1社として扱うのが自然です。会社都合の合併や社名変更も、括弧書きで「(現・◯◯株式会社)」と補足すれば足ります

面接では回数そのものより、事実を正確に言えるかどうかが見られます。「社会人になってから4社を経験しています」のように、数字と実態が一致する言い方をしておくと安全です。

書類で落ち続けるときの立て直し方

職歴欄を整えても書類が通らない場合、原因は回数そのものではなく、応募先と経歴の噛み合わせにあることが多くあります。転職回数に対する見方は業界によってかなり差があり、同じ経歴でも評価が反転します。

実務的な打ち手は次の3つです。

  • 応募先を選び直す:中途採用の頻度が高い業界・職種に寄せる。書類選考の通過率の考え方も参考にしてください
  • 職務要約を作り直す:職歴の羅列ではなく、共通して積み上げてきたスキルを冒頭3行で示す
  • 推薦のある応募経路に切り替える:エージェント経由の応募では、書類に加えて担当者の推薦コメントが企業に届きます。書類だけでは伝わらない転職理由の背景を補足してもらえるため、経歴に説明が必要な人ほど直接応募との差が出ます

複数のエージェントを併用する場合は、同じ企業に別ルートで重複応募しないよう、応募先の管理だけ自分で持っておくのが安全です。詳しくは転職エージェントの複数利用で解説しています。

まとめ

  • 職歴は原則すべて記載する。省略は経歴詐称のリスクを伴う
  • 欄が足りないときは「様式を変える → 1社1行 → 職務経歴書へ振る」の順で対処する
  • 派遣は派遣会社を親、派遣先を子にして書くと実態に合う
  • 直近2社を厚く、古い職歴は圧縮する3段構成にすると読みやすい
  • 通らないときは書き方ではなく応募先と応募経路を見直す
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よくある質問

履歴書の職歴欄が足りない場合はどうすればいいですか?

まずは行数の多い様式(厚生労働省履歴書様式例のA3版など)に変える、1社を1行にまとめる、という順で対処します。それでも収まらない場合は「詳細は職務経歴書に記載」と書き添え、職務経歴書側で補うのが実務的です。書ききれないことを理由に職歴そのものを省略するのは避けてください。

転職回数が多いとき、職歴を省略して書いてもいいですか?

意図的に職歴を伏せるのは避けるべきです。最終学歴や職歴といった重要な経歴について虚偽の申告をした場合、懲戒解雇が有効と判断された最高裁判例(炭研精工事件・平成3年9月19日判決)があります。入社後に社会保険の記録などから発覚することもあるため、記載自体は省かず、書き方を工夫して読みやすくするのが正攻法です。

転職回数はどう数えますか?アルバイトも含めますか?

一般に転職回数として数えるのは、正社員・契約社員・派遣社員など雇用契約を結んで働いた勤務先の数から1を引いた数です。学生時代のアルバイトは通常含めません。ただし数え方に公的な定義があるわけではないため、面接では「社会人になってから4社を経験」のように事実で伝えるほうが齟齬がありません。

短期間で辞めた会社も履歴書に書く必要がありますか?

雇用保険や社会保険に加入していた勤務先は記載するのが基本です。数か月で退職した場合も、在籍期間をそのまま書いたうえで、職務経歴書や面接で理由を簡潔に説明する形にします。試用期間中の退職や日雇い・単発の仕事まで書く必要は通常ありません。

派遣社員として複数の企業で働いた場合はどう書きますか?

雇用主は派遣会社なので、派遣会社名を1行の見出しにし、その下に派遣先と業務内容を並べます。派遣先ごとに入社・退社を書くと転職回数が実際より多く見えてしまうため、この書き方のほうが実態に合います。

参考:厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」

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