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物流・運送業界の転職|ドライバー・倉庫・フォークリフト・運行管理・配車・物流事務の職種地図と、未経験から入る順路

物流・運送の求人は「ドライバー」「倉庫」とひとくくりにすると選べません。ドライバー・倉庫作業・フォークリフト・運行管理者・配車・物流事務・倉庫管理主任者を、法令上の資格要件(道路交通法の免許区分、労働安全衛生法の技能講習と特別教育、貨物自動車運送事業法の運行管理者、倉庫業法の倉庫管理主任者)で整理し、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制と改善基準告示の数字を「求人票で確認する項目」に置き換え、未経験から入る順路と書類で書く単位までまとめました。

30秒でわかる結論

職種は「法令上の資格要件」で3つに分かれる。免許区分で決まる運転の仕事、技能講習か特別教育かで決まる倉庫の荷役、資格者証や選任要件のある運行管理者・倉庫管理主任者、そして資格要件のない倉庫作業・配車・物流事務です。

求人票は2024年4月の2つの数字で読む。時間外労働の上限(運転業務は年960時間)と改善基準告示の拘束時間・休息期間を、求人票の「拘束時間」「休息期間」「手積みの有無」の欄に置き換えて確認します。

未経験は資格のいらない職種から入り、講習と試験で担当範囲を広げる。倉庫作業からフォークリフト技能講習へ、ドライバーから運行管理者試験へ、という順路が法令上の要件に沿っています。

この記事は建設・製造・物流の職種別ガイドのうち、物流・運送業界の職種の選び方を扱います。「物流の求人」は、運転・荷役・管理・事務のどれを指しているかで、必要な資格も、働く時間の決まり方も、書類に書くべきことも別物です。職種を法令上の資格要件で地図にし、求人票のどこを見るか、未経験からどの順で進むかを整理します。書類の書き方そのものはドライバーの職務経歴書の書き方と製造・工場の職務経歴書の書き方に分けてあるので、ここでは「選び方と順路」に絞ります。

物流・運送の職種地図

物流・運送の仕事は、荷物の流れに沿って運ぶ(ドライバー)・保管し出し入れする(倉庫)・車と人を動かす計画を立てる(運行管理・配車)・伝票と情報を扱う(物流事務)に分かれます。採用側が見ているのは「どの工程を、どの資格で、どれだけの規模で」担当できるかです。職種ごとに、法令上の資格や選任の要件と、職務経歴書で書く単位をまとめました。

職種 法令上の資格・選任の要件 書類で書く単位
ドライバー車両の区分に応じた第一種免許(道路交通法第85条)。旅客を運ぶタクシー・バスは第二種免許(同法第86条)。トレーラーはけん引免許(同法第85条第3項)免許区分と取得年月、車種と積載量、運行形態(長距離・地場・ルート配送・宅配)、1日の走行距離や件数、積み下ろしの方法、無事故無違反の期間
倉庫作業(入出荷・ピッキング・梱包)法令上の資格要件なし。テールゲートリフターの操作を伴う積み下ろしは特別教育の対象(労働安全衛生規則第36条第5号の4)扱う荷物の種類(常温・冷蔵冷凍・危険物・重量物)、倉庫の広さや取扱品目数、1日の処理件数、使った倉庫管理システムや端末の有無、改善提案
フォークリフト最大荷重1トン以上は技能講習の修了が必要(労働安全衛生法第61条・同法施行令第20条第11号)。1トン未満は特別教育(労働安全衛生規則第36条第5号)。玉掛けはつり上げ荷重1トン以上で技能講習(施行令第20条第16号)「フォークリフト運転技能講習 修了」と修了年月、車種(カウンター・リーチ)、扱った荷姿(パレット・ロール・長尺)、1日の運転時間や荷役の件数、無事故の期間
運行管理者運行管理者資格者証の交付を受けた者から選任(貨物自動車運送事業法第16条・第17条)。営業所の事業用自動車30両ごとに1人を加えた人数以上を選任(貨物自動車運送事業輸送安全規則第18条)資格者証の交付年月と区分(貨物・旅客)、営業所の車両台数とドライバー数、点呼・運行指示・乗務記録の管理方法、事故や違反への対応、講習の受講歴
配車法令上の資格要件なし。運行管理者資格者証を持つ人が兼ねる会社が多い1日に組む便数と車両台数、荷主の数、配車の単位(スポット・定期便・チャーター)、協力会社への依頼の有無、配車システムの使用経験
物流事務法令上の資格要件なし受発注・入出荷伝票・送り状の処理件数、在庫照合の頻度、荷主や運送会社との連絡窓口の範囲、使った業務システムの種類、請求や締め処理の有無
倉庫管理主任者倉庫業者が倉庫ごとに選任(倉庫業法第11条)。要件は倉庫管理業務の指導監督的実務経験2年以上、実務経験3年以上、国土交通大臣が定める講習の修了のいずれか(倉庫業法施行規則第9条)選任の有無と年月、要件を満たした経路(実務年数か講習か)、担当倉庫の数と面積、火災防止・労働災害防止・従業員研修の実施内容(同規則第9条の2の業務に対応させる)

現場から管理へ移るルートがあるのがこの業界の特徴です。ドライバーや倉庫作業の経験者が配車や運行管理へ進む例が多く、現場を知っていること自体が管理側の適性として見られます。職務経歴書では、扱った荷物の種類、1日あたりの件数、担当したエリアや区画の規模を数字で書くと経験の大きさが伝わります。数字にする手順は実績を数字に置き換える手順にまとめています。

運転の仕事は「免許区分」と「事業の種類」で決まる

ドライバーの求人は、運転する車両の大きさで必要な免許が決まり、誰の荷物を運ぶかで事業の種類が決まります。どちらも法令上の区分があり、求人票の「必要免許」「事業内容」の欄に直接表れます。

免許区分は車両総重量・最大積載量・乗車定員で切れる

道路交通法第84条第3項は第一種免許を大型・中型・準中型・普通・大型特殊・大型二輪・普通二輪・小型特殊・原付・けん引の10種類に分け、同法第85条第1項で車両の区分ごとに必要な免許を定めています。車両の区分は道路交通法施行規則第2条の次の数字です。

車両の区分 車体の大きさ(施行規則第2条) 免許の年齢・経験の要件
大型自動車車両総重量11,000kg以上、最大積載量6,500kg以上、または乗車定員30人以上21歳以上(第88条第1項第1号)。受験には中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかを通算3年以上(政令で定める教習の修了者は1年以上)保有(第96条第2項)
中型自動車車両総重量7,500kg以上11,000kg未満、最大積載量4,500kg以上6,500kg未満、または乗車定員11人以上29人以下20歳以上。受験には準中型・普通・大型特殊のいずれかを通算2年以上(教習修了者は1年以上)保有(第96条第3項)
準中型自動車車両総重量3,500kg以上7,500kg未満、または最大積載量2,000kg以上4,500kg未満18歳以上。他の免許の保有期間は不要
普通自動車上記のいずれにも当たらない自動車18歳以上
けん引けん引自動車で重被けん引車を引く場合に、その車両の免許に加えて必要(第85条第3項)大型・中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかを現に保有(第96条第4項)
第二種免許旅客自動車運送事業の旅客を運ぶ目的で運転する場合(第86条第1項)。大型・中型・普通・大型特殊・けん引の5種類21歳以上(政令で定める教習の修了者は19歳以上)で、第一種免許を通算3年以上(政令で定める経験がある者は2年、教習修了者は1年)保有(第96条第5項)

求人票の「要中型免許」「大型免許歓迎」は、この表の車両を使う仕事だという意味です。応募する側は、自分の免許証に書かれた免許の種類と「免許の条件等」欄を先に確認してください。免許を取得した時期によって運転できる範囲に限定が付いていることがあり、限定がある場合はその旨を書類に書きます。取得年月と限定の書き方はドライバーの職務経歴書の書き方で扱っています。

事業の種類は「誰の荷物を・どの車で」で分かれる

貨物自動車運送事業法第2条は、他人の需要に応じて有償で貨物を運ぶ事業を次の3つに分けています。求人票の「一般貨物」「軽貨物」はこの区分です。

  • 一般貨物自動車運送事業(第2条第2項)— 不特定の荷主の荷物を、軽自動車・二輪以外の自動車で運ぶ事業。トラック運送会社の大半がここに入り、国土交通大臣の許可を受けて営業しています。営業所や事業場で集めた荷物を仕分けて積み合わせ、定期的に拠点間を運ぶものは「特別積合せ貨物運送」(同条第6項)と呼ばれ、宅配や路線便がこれに当たります。
  • 特定貨物自動車運送事業(同条第3項)— 特定の荷主の荷物だけを運ぶ事業。メーカーの専属輸送などです。
  • 貨物軽自動車運送事業(同条第4項)— 三輪以上の軽自動車または二輪の自動車で運ぶ事業。普通免許で始められ、個人事業主として業務委託で働く形が多い領域です。四輪以上の軽自動車を使う事業者は、営業所ごとに講習を修了した貨物軽自動車安全管理者を1人選任する義務があります(同法第36条の2)。

同じ「配送ドライバー」でも、一般貨物の会社に雇用されるのか、軽貨物の業務委託なのかで、雇用主・社会保険・車両の調達・収入の決まり方が違います。求人票に「業務委託」「個人事業主」「車両持ち込み」とあれば後者です。応募前にどちらかを確かめ、雇用形態の書き方は派遣・契約社員の職務経歴書の書き方も参考にしてください。

倉庫の仕事は「技能講習」と「特別教育」の線引きで広がる

倉庫内の作業に運転免許のような国家試験はありません。代わりに労働安全衛生法が、危険な業務ごとに「技能講習を修了した者でなければ就かせてはならない業務」と「事業者が特別の教育を行わなければならない業務」を分けています。倉庫で働く人の担当範囲は、この線引きで広がります。

業務 必要なもの 根拠
最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転技能講習の修了労働安全衛生法第61条第1項の就業制限業務。施行令第20条第11号(道路上の走行を除く)
最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転特別教育同法第59条第3項。労働安全衛生規則第36条第5号
つり上げ荷重1トン以上のクレーン等の玉掛け技能講習の修了施行令第20条第16号。1トン未満は特別教育(規則第36条第19号)
テールゲートリフターの操作(積み下ろしを伴うもの)特別教育規則第36条第5号の4。トラックの荷台後部の昇降装置を使う積み下ろしが対象
最大荷重1トン以上のショベルローダー・フォークローダーの運転技能講習の修了施行令第20条第13号
入出荷・ピッキング・梱包・検品要件なし雇入れ時の安全衛生教育(同法第59条第1項)は事業者の義務として行われる

「フォークリフト免許」は技能講習修了証のこと

求人票の「フォークリフト免許必須」は、法令上はフォークリフト運転技能講習の修了を指します。都道府県労働局長の登録を受けた教習機関が行う講習で、修了すると最大荷重1トン以上のフォークリフトを構内で運転できます(公道を走る場合は車両に応じた運転免許が別に必要です)。特別教育は1トン未満に限られ、会社が社内または委託で行うものなので、転職先でそのまま通用する「資格」として書けるのは技能講習のほうです。履歴書の資格欄には「フォークリフト運転技能講習 修了(年月)」と講習の名称で書きます。書き方の細部は履歴書の資格欄の書き方と資格・スキル欄の書き方を参照してください。

技能講習は就業制限の要件であると同時に、倉庫の求人で「任せられる範囲」を広げる最初の一歩です。未経験で倉庫作業に入った人が、会社の費用負担や自費で技能講習を修了し、リーチ式・カウンター式の運転と荷役を担当するようになる、という順路は法令の線引きに沿っています。

倉庫管理主任者は「倉庫業者」の倉庫ごとに置かれる

倉庫業法第11条は、倉庫業者に対し、倉庫ごとに国土交通省令で定める要件を備えた倉庫管理主任者を選任し、火災の防止その他の倉庫の管理に関する業務を行わせることを義務づけています。施行規則第8条で倉庫ごとに1人(同一敷地内や同一事業所が管理する複数の倉庫は一定の条件で兼任可)、第9条で要件が定められています。

  • 倉庫の管理の業務に関して2年以上の指導監督的実務経験を有する者
  • 倉庫の管理の業務に関して3年以上の実務経験を有する者
  • 国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者
  • 国土交通大臣がこれらと同等以上の知識・能力があると認める者

業務の中身は施行規則第9条の2にあり、火災防止その他施設の管理、倉庫管理業務の適正な運営の確保、労働災害の防止の総括と、現場従業員の研修です。求人票で「倉庫管理主任者 歓迎」とあれば、応募先は荷主から荷物を預かる営業倉庫を運営する倉庫業者で、現場のリーダーや所長候補を探していると読めます。倉庫作業からこの職に進むなら、実務経験の年数と講習の受講歴を職務経歴書に明記し、研修の実施や安全活動の実績を第9条の2の業務に対応させて書きます。

運行管理者・配車・物流事務は「車と人と情報を動かす」側

現場を離れて管理側に移る職種です。運行管理者だけに法令上の資格者証があり、配車と物流事務には要件がありません。ただし、どの職種も現場の経験が評価の中心になります。

運行管理者は資格者証と選任人数が法令で決まっている

一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから運行管理者を選任しなければなりません(貨物自動車運送事業法第16条第1項)。資格者証の交付は次の2通りです(同法第17条第1項)。

  • 運行管理者試験に合格した者 — 試験を受けるには、試験日の前日時点で自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)の事業用自動車の運行の管理に関し1年以上の実務経験が必要です。この経験は、国土交通大臣が認定する講習(いわゆる基礎講習)の修了で代えることができます(貨物自動車運送事業輸送安全規則第31条)。
  • 実務経験で交付を受ける者 — 事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務経験があり、その間に国土交通大臣が認定する講習を5回以上受講した者(同規則第24条)。

選任する人数も決まっています。営業所が運行を管理する事業用自動車の数を30で割った数(端数切り捨て)に1を加えた人数以上で、5両未満の営業所には例外があります(同規則第18条第1項)。複数の運行管理者を置く営業所では統括運行管理者を選任します(同条第2項)。選任後も、新たに選任された者や前回受講年度の翌年度末を過ぎた者には講習の受講義務があります(同規則第23条)。

この仕組みから、運行管理者の求人は「資格者証を持っている人」か「ドライバーや配車の経験者で、基礎講習を受けて試験に受かる見込みのある人」のどちらかを探しています。職務経歴書には、資格者証の交付年月(または受験予定と基礎講習の修了年月)、所属営業所の車両台数とドライバー数、点呼・運行指示・乗務記録の管理方法を書きます。

配車は資格より「組める規模」で見られる

配車に法令上の資格要件はありませんが、運行管理者資格者証を持つ人が配車を兼ねる会社が多く、求人票では「運行管理者資格 歓迎」と併記されます。採用側が知りたいのは、1日に何便を何台で組み、何社の荷主を相手にし、協力会社への依頼をどこまで任されていたかです。ドライバーから配車に移る人は、自分が走っていた便の配車を誰がどう組んでいたかを把握していたことを書くと、未経験でも説得力が出ます。

物流事務は「処理件数」と「連絡窓口の範囲」で書く

受発注、入出荷伝票、送り状の発行、在庫照合、荷主や運送会社との連絡が中心で、資格要件はありません。異業種の事務職からの転職も多い職種です。一般事務と違うのは、現場の締め時間に合わせて処理が集中することと、荷主・運送会社・現場の三者の間に立つことです。職務経歴書では、1日や1か月の処理件数、在庫照合の頻度、連絡窓口として対応していた相手の範囲、請求や締め処理の有無を書きます。倉庫管理システムや受発注システムは製品名ではなく「倉庫管理システム(入出荷登録・在庫照会)」のように機能で書けば、応募先の環境が違っても通じます。

求人票で確認する項目|2024年4月の2つの数字

2024年4月1日から、自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用され、同時に改善基準告示が改正後の内容で適用されています。この2つは、応募先の体制を確かめる物差しとして使えます。業界全体の平均値や実態の数字は会社ごとに違うので書きませんが、法令と告示が定める上限は全社共通です。

時間外労働の上限|運転業務は年960時間

労働基準法第36条は、36協定で延長できる時間外労働の限度を1か月45時間・1年360時間とし(第4項)、臨時的な特別の事情がある場合でも1か月100時間未満・1年720時間以内、複数月平均80時間以内と定めています(第5項・第6項)。自動車の運転の業務については附則第140条第1項により、1年について960時間を上限とする読み替えが当分の間適用され、1か月100時間未満・複数月平均80時間以内の規定は適用されません。この取扱いは附則第140条第2項により令和6年3月31日まで猶予されていたもので、2024年4月1日以降に適用されています。

求人票では「36協定の特別条項の有無」「年間の時間外労働の上限をどう設定しているか」「残業代の計算方法(固定残業代なら何時間分か)」を確認します。面接で「時間外は年960時間の範囲でどのくらいの水準か」と聞くのは、法令上の上限を知ったうえでの質問として受け取られます。

改善基準告示|拘束時間と休息期間の下限

改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準。平成元年労働省告示第7号、令和4年厚生労働省告示第367号で改正)は、時間外労働とは別に、始業から終業までの拘束時間と、勤務と勤務の間の休息期間を定めています。貨物自動車運送事業に従事する運転者について、改正後の第4条は次の通りです。

項目 改善基準告示 第4条(トラック) 求人票・面接で確認する点
1か月・1年の拘束時間1か月284時間・1年3,300時間を超えない。労使協定があれば1年のうち6か月まで1か月310時間・1年3,400時間まで延長できる。284時間を超える月は3か月を超えて連続しない(第1項第1号・第2号)「拘束時間」の欄があるか。労使協定による延長を使っているか。月の拘束時間の実績を開示してもらえるか
1日の拘束時間13時間を超えないものとし、延長する場合も最大15時間。1週間の運行がすべて長距離貨物運送(1運行の走行距離450km以上)で休息期間が住所地以外の場合、週2回まで16時間(第1項第3号)。14時間を超える回数はできるだけ少なくする(第4号)始業・終業の時刻の幅。「長距離」「泊まり」の頻度。1運行の走行距離
休息期間勤務終了後、継続11時間以上を与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない。長距離の例外に当たる場合は週2回まで継続8時間(その運行終了後に継続12時間以上)(第1項第5号)終業から次の始業までの間隔。早朝出庫と深夜帰庫が続く運行かどうか
運転時間・連続運転時間運転時間は2日平均で1日9時間、2週間平均で1週44時間を超えない(第1項第6号)。連続運転時間は4時間以内(やむを得ずSA・PAに停められない場合は4時間30分まで)(第7号)デジタルタコグラフやドライブレコーダーの導入。休憩を取る場所の確保(荷主先での待機時間の扱い)
休日労働2週間に1回を超えず、休日労働によって拘束時間の上限を超えない(第5項)休日の取り方(週休2日か、4週で何日か)と、休日出勤の頻度

改善基準告示は、拘束時間を数えるときに荷待ち時間や積み下ろしの時間も含みます。だから求人票の「手積み手降ろしの有無」「荷待ちの長い荷主があるか」「パレット化されているか」は、賃金の欄と同じくらい大事な情報です。告示の対象は貨物自動車運送事業に従事する運転者で、自社製品を自社の車で運ぶ運転者にも第4条第6項により準用されます。タクシー・バスは別の条(第2条・第5条)で、数字が異なります。

職種地図を年収・労働時間・求人倍率で見直す

職種地図の各ブロックは、賃金と求人倍率でも性格が違います。厚生労働省の公的統計から、大型トラック・中小型トラック(配送)・倉庫や運搬の作業・物流センターの設備保全の年収・月給・労働時間と、ハローワーク求人の倍率・月給を並べました。どのブロックから入り、どこへ進むかを決める材料です。

転職判断の物差し

大型トラック・中小型トラック・配送・倉庫・運搬・設備保全・修理の賃金・労働時間・求人倍率

賃金・労働時間は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(一般労働者・男女計・企業規模10人以上)、求人倍率と求人票の月給は同省の職業情報提供サイト job tag に掲載のハローワーク求人統計(令和7年度)。年収は「残業代込みの月給×12+年間賞与」の換算値です。

1. 平均の姿(この職種で働く人の真ん中あたり)

項目 大型トラック中小型トラック・配送倉庫・運搬設備保全・修理
年収(換算)507万円449万円407万円571万円
残業代込みの月給38.7万円34.2万円29.7万円37.2万円
残業代を除いた月給30.6万円28.7万円26.3万円32.2万円
年間賞与43万円38.5万円50.7万円125万円
平均年齢51.5歳50.3歳46.3歳42.7歳
平均勤続年数13.4年11.6年11.5年15年
月の所定内労働時間175時間173時間163時間160時間
月の残業時間33時間26時間16時間18時間
集計対象の労働者数471,570人451,640人605,160人135,180人
有効求人倍率(令和7年度)2.94倍1.68倍0.87倍5.63倍
求人票の月給(ハローワーク平均)29.5万円24万円22.7万円26万円

求人票の月給は、ハローワーク求人に書かれた賃金(下限と上限の中間値)の平均で、残業代や賞与を含みません。「残業代込みの月給」より低く出るのが普通です。求人倍率は求職者1人あたりの求人数で、1倍を大きく超えるほど「選ぶ側」に立てます(全職業の平均は1.1倍・令和7年度・職業別集計の職業計)。 求人統計の職業区分は「トラックドライバー」・「ルート配送ドライバー」・「倉庫作業員」・「物流設備管理・保全」です。

2. 会社の規模で変わる額(同じ職種でもここが分かれ目)

職種 企業規模 年収(換算) 残業代込みの月給 年間賞与 月の残業 平均勤続
大型トラック 1,000人以上 544万円 40.3万円 60.6万円 36時間 14.1年
100〜999人 559万円 41.6万円 59.7万円 44時間 14.6年
10〜99人 468万円 36.6万円 28.8万円 26時間 12.6年
中小型トラック・配送 1,000人以上 535万円 38.5万円 73.9万円 39時間 14.5年
100〜999人 444万円 34.2万円 33.6万円 34時間 11.2年
10〜99人 410万円 32.2万円 24.1万円 17時間 10.5年
倉庫・運搬 1,000人以上 445万円 32万円 60.8万円 20時間 11.9年
100〜999人 376万円 27.6万円 44.2万円 14時間 10.9年
10〜99人 371万円 27.7万円 38.6万円 12時間 11.7年
設備保全・修理 1,000人以上 637万円 41.2万円 143.3万円 23時間 15.9年
100〜999人 556万円 35.6万円 129.1万円 15時間 15.5年
10〜99人 500万円 34.2万円 89.6万円 15時間 12.8年

3. 年齢別の年収(換算・万円)— 自分の年齢帯の列を見る

職種 20-2425-2930-3435-3940-4445-4950-5455-5960-64
大型トラック 446472512524527530532518471
中小型トラック・配送 371427462482481489470448391
倉庫・運搬 338377396448440439424424354
設備保全・修理 412485548578616663680695511

4. 経験年数別の月給(残業代を除く・万円)— 転職直後に提示されやすい帯

職種 0年1〜4年5〜9年10〜14年15年以上
大型トラック 27.529.529.43031.7
中小型トラック・配送 25.726.228.428.730.7
倉庫・運搬 22.823.225.428.529.4
設備保全・修理 25.926.629.231.737.3

「経験年数」はその職種での通算年数で、会社を変えてもリセットされません。「0年」はその職種に就いたばかりの人の額です。

産業全体の働き方の目安: 運輸業,郵便業で働く一般労働者は月に19.9日出勤し、総労働時間175.3時間のうち残業は24.1時間(全産業は19.2日・160.5時間のうち残業13.2時間)。厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(事業所規模5人以上)。

この数字の読み方

  • 倉庫・運搬の作業は求人倍率が1倍を切り、求職者のほうが多い=選ばれる側です。フォークリフトの技能講習、玉掛け、運行管理者の資格で、同じ倉庫の中でも配置と賃金が変わります。
  • 運転の仕事は残業時間が長く、年収の残業への依存が高い構造です。改善基準告示の拘束時間と合わせて、固定給の部分がいくらかを求人票で見ます。
  • 設備保全・修理は年収も求人倍率も高いブロックです。物流センターの機械化で需要が続いており、工場の保全経験や電気工事士の資格がそのまま通用します。
  • 運行管理者・配車・物流事務は、この統計では独立した職種区分がありません。運送会社の事務職の求人票で個別に比べてください。

出典・取得日

取得日 2026年10月18日。統計の職業区分は記事の職種と完全には一致しません。各社の求人票の数字を読むための物差しとして使ってください。

未経験から入る順路

物流・運送は、法令上の資格要件がない職種から入り、講習や試験で担当範囲を広げられる業界です。順路は3本あります。

入口 次の一歩(法令上の要件) その先
倉庫作業(要件なし)フォークリフト運転技能講習・玉掛け技能講習の修了。テールゲートリフターの特別教育現場リーダー → 倉庫管理主任者(実務経験3年、指導監督的実務経験2年、または講習修了)→ 所長・センター長
普通免許で運転できる車両の配送(宅配・軽貨物・小型のルート配送)準中型免許(18歳以上)→ 中型免許(20歳以上・免許保有通算2年、教習修了者は1年)→ 大型免許(21歳以上・通算3年、教習修了者は1年)→ けん引免許地場の中型・大型 → 長距離・トレーラー、または配車・運行管理者へ
ドライバー・配車・物流事務として運送会社に在籍基礎講習の修了(実務経験1年の代わり)→ 運行管理者試験 → 資格者証の交付。または実務経験5年+講習5回で交付運行管理者・統括運行管理者 → 営業所長

異業種からの応募は「現場に入る前提」を先に書く

異業種から物流に移る場合、職務経歴書の冒頭でどの職種に、どの資格の状態で、いつから入れるかを先に書きます。「普通免許(取得年月・限定の有無)、フォークリフト技能講習は未修了、入社後の受講を希望」のように、現状と次の一歩を分けて書けば、採用側は配置を具体的に考えられます。前職の経験は、時間どおりに動く仕事をしていたこと、数量や伝票の正確さが求められる仕事をしていたこと、体を使う仕事に慣れていること、のどれに当たるかで整理し、物流の職種地図のどこに接続するかを一文で示します。未経験の履歴書の組み立ては未経験転職の履歴書の書き方、年代別の書き方は40代の未経験転職と50代の転職にまとめています。

運転の経験を旅客に転じる選択肢

トラックの運転経験がある人が、生活リズムの理由で旅客(タクシー)に移る選択肢もあります。旅客を運ぶには第二種免許が必要で(道路交通法第86条第1項)、受験には21歳以上で第一種免許を通算3年以上保有していることが原則ですが、政令で定める教習を修了した者は19歳以上・保有1年以上で受けられます(同法第96条第5項第1号)。トラックで積み上げた無事故無違反の期間と拘束時間の管理経験は、旅客でもそのまま評価の対象です。タクシーに応募するときの書類の書き方はドライバーの職務経歴書の書き方のタクシーの節で扱っています。

職種をまたいで応募するときに書類へ書く前提

同じ物流でも、職種が変わると採用側が知りたいことが変わります。前の職場の経験を、応募先の職種で求められる単位に並べ替えて書くのが基本です。職務経歴書全体の構成は、運転系ならドライバーの職務経歴書の書き方、倉庫・構内物流なら製造・工場の職務経歴書の書き方に詳しくまとめています。ここでは移る方向ごとに前に出す経験だけを示します。

移る方向 応募先が知りたいこと 書類で前に出す経験
倉庫作業 → フォークリフト専任技能講習の修了の有無、扱える車種と荷姿、無事故で運転してきたか「フォークリフト運転技能講習 修了(年月)」、カウンター式・リーチ式の別、パレット・ロール等の荷姿、1日の荷役件数、無事故の期間
ドライバー → 配車・運行管理者資格者証の有無か取得見込み、走っていた便の配車の仕組みを理解しているか、ドライバーに指示できるか資格者証または基礎講習の修了年月、営業所の車両台数、担当していた便の構成(荷主・区間・時間帯)、点呼や乗務記録に関わった経験
地場配送 → 長距離・大型大型免許・けん引免許の有無、長時間の運行を安全に続けられるか、拘束時間の自己管理ができるか免許区分と取得年月、1運行の走行距離と泊まりの有無、デジタルタコグラフの使用経験、休息期間の取り方
一般事務 → 物流事務締め時間のある処理に慣れているか、現場と荷主の間に立てるか伝票や受発注の処理件数、締め処理の経験、電話・メールでの調整相手の範囲、在庫や数量の照合の経験
倉庫作業 → 倉庫管理主任者候補施行規則第9条の要件(実務経験年数か講習)を満たすか、安全と研修を任せられるか倉庫管理業務の実務年数、指導監督的な立場にあった期間、火災・労災防止の活動、新人研修の実施、講習の受講歴

応募前のチェックリスト

  • 応募先の職種が、職種地図のどれに当たるか(運転・倉庫・フォークリフト・運行管理・配車・物流事務・倉庫管理主任者)を確認した
  • 運転の求人なら、必要免許の区分と自分の免許証の「免許の条件等」欄を照合した
  • 事業の種類(一般貨物・特定貨物・貨物軽自動車)と雇用形態(雇用か業務委託か)を確認した
  • 「フォークリフト免許」が技能講習の修了を指すことを理解し、自分の修了の有無を確認した
  • 運行管理者の求人なら、資格者証の有無、または基礎講習と試験の予定を書けるようにした
  • 求人票で拘束時間・休息期間・36協定の特別条項・手積み手降ろしの有無・デジタルタコグラフの導入を確認した
  • 職務経歴書の冒頭に、免許・講習・資格者証の状態と入社可能日を書いた
  • 扱った荷物の種類、1日の件数や走行距離、営業所の車両台数など、規模を数字で書いた
  • 応募先の職種で求められる単位に、前の経験を並べ替えた
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よくある質問

物流業界に未経験で入るには、どんな資格が必要ですか?

職種によって違います。倉庫内の入出荷・ピッキング・梱包、配車、物流事務は法令上の資格要件がなく、未経験の求人も出ます。車を運転する仕事は道路交通法第84条の運転免許が前提で、普通免許で運転できる車両の範囲は道路交通法施行規則第2条の区分(車両総重量・最大積載量・乗車定員)で決まります。最大荷重1トン以上のフォークリフトは労働安全衛生法第61条の就業制限業務で、技能講習の修了者でなければ運転できません。運行管理者は貨物自動車運送事業法第17条の運行管理者資格者証が必要です。まず資格のいらない職種で入り、技能講習や試験で担当範囲を広げる順路が一般的です。

フォークリフトの「免許」とは何ですか?特別教育との違いは?

フォークリフトに運転免許はなく、最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転(道路上の走行を除く)は労働安全衛生法施行令第20条第11号の就業制限業務にあたり、同法第61条により都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者でなければ就けません。最大荷重1トン未満のフォークリフトは労働安全衛生規則第36条第5号の特別教育の対象で、事業者が同法第59条第3項に基づき社内または委託で教育を行います。求人票の「フォークリフト免許」は技能講習修了証のことです。履歴書には「フォークリフト運転技能講習 修了」と講習の正式名称で書きます。

運行管理者になるにはどうすればいいですか?

貨物自動車運送事業法第17条第1項により、運行管理者資格者証は運行管理者試験に合格した者、または事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務経験があり、その間に国土交通大臣が認定する講習を5回以上受講した者(貨物自動車運送事業輸送安全規則第24条)に交付されます。試験を受けるには、試験日の前日時点で事業用自動車の運行の管理に関し1年以上の実務経験が必要ですが、国土交通大臣が認定する講習(いわゆる基礎講習)の修了で代えることができます(同規則第31条)。ドライバーや配車担当として運送会社に在籍しながら基礎講習を受けて受験するのが現実的な順路です。

「2024年問題」の後、求人票のどこを見ればいいですか?

2つの数字が基準になります。1つは労働基準法第36条の時間外労働の上限規制で、自動車運転の業務は附則第140条により年960時間が上限です(月100時間未満・複数月平均80時間以内の規制は適用されません)。もう1つは改善基準告示(令和4年厚生労働省告示第367号)で、トラック運転者の拘束時間は1か月284時間・1年3,300時間(労使協定で年6か月まで月310時間・年3,400時間)、1日13時間を超えず最大15時間、休息期間は継続11時間以上を基本に継続9時間を下回らない、連続運転時間は4時間以内です。求人票では「拘束時間」「休息期間」「36協定の特別条項の有無」「デジタルタコグラフの導入」「手積み手降ろしの有無」を確認します。

普通免許で運転できるトラックはどこまでですか?

道路交通法施行規則第2条の区分では、準中型自動車は車両総重量3,500kg以上7,500kg未満または最大積載量2,000kg以上4,500kg未満、中型自動車は車両総重量7,500kg以上11,000kg未満または最大積載量4,500kg以上6,500kg未満または乗車定員11人以上29人以下、大型自動車は車両総重量11,000kg以上または最大積載量6,500kg以上または乗車定員30人以上です。普通自動車はこれらのいずれにも当たらない車両で、新しく取得した普通免許で運転できるのはこの範囲です。ただし免許を取得した時期によって運転できる範囲が異なる場合があるため、自分の免許証の「免許の条件等」欄を確認してください。

参考:e-Gov法令検索「道路交通法」第3条・第84条・第85条・第86条・第88条・第96条/同「道路交通法施行規則」第2条/同「労働安全衛生法」第59条・第61条/同「労働安全衛生法施行令」第20条/同「労働安全衛生規則」第36条/同「貨物自動車運送事業法」第2条・第16条・第17条・第19条・第36条の2/同「貨物自動車運送事業輸送安全規則」第18条・第23条・第24条・第31条/同「倉庫業法」第11条/同「倉庫業法施行規則」第8条・第9条・第9条の2/同「労働基準法」第36条・附則第140条/厚生労働省労働基準局長通達 基発1223第3号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について」(令和4年12月23日。改正後の改善基準告示第4条を収録)

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