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看護師の求人票の見方|離職率・年間休日・残業・有給・給与を全国平均と並べて読む、聞いていい質問15項目

看護師の求人票は、全国平均の横に置くと読めるようになります。日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(回答3,502病院)の離職率11.0%・年間休日117.7日・月平均超過勤務4.8時間・有給取得率69.6%・新卒の税込給与総額285,078円と、医労連の看護師本人35,933人の回答(時間外5時間以上64.1%・不払いあり約7割)を並べ、求人票の「4週8休」「月給◯万円」「残業月5時間」をどう分解するか、面接・見学で聞いていい質問15項目を一覧にしました。

30秒でわかる結論

求人票は全国平均の横に置いて読む。離職率11.0%(新卒8.4%・既卒16.1%)、年間休日117.7日、月平均超過勤務4.8時間、有給取得率69.6%、新卒の税込給与総額285,078円。これが2024〜2025年度の病院の平均値です(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」、回答3,502病院)。

読む順番は「賃金→休み→働き方」。看護職員本人が働き続けるために重視する項目の上位です。人間関係(3位)だけは求人票に出ないので、面接・見学で確かめます。

残業と月給は「病院の申告」で書かれている。残業は本人回答と大きく差があり、月給は夜勤手当込みです。「管理方法は自己申告か打刻か」「月給は夜勤何回分込みか」の2問で分解できます。

求人票を読む順番は「働き続けるために重要視すること」の順

求人票の項目は多く、上から順に読むと給与と休日の印象だけが残ります。読む順番を決めるために、看護職員本人が何を重視しているかを先に見ます。日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(2026年3月公表、会員4,430名の回答、平均43.3歳・病院勤務84.2%)で、看護職として働き続けるために重要視すること(3つまで)の上位は次のとおりです。

順位 重要視すること 割合 求人票で確かめられるか
1業務や役割、責任に見合った賃金額53.6%◯ 月給・基本給・夜勤手当の内訳(本記事の給与の章)
2休みがとりやすい49.6%△ 年間休日・週休形態は書いてある。有給取得率は書いていないことが多い
3職場の人間関係が良い48.5%× 求人票には出ない。離職率と面接・見学で間接的に確かめる
4希望する働き方ができる38.9%△ 「日勤のみ相談可」などの表記はあるが、実際に使えるかは別
5時間外労働が少ない25.1%△ 書いてある数字は病院の申告値。本人の実態とは差がある

出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(2026年3月31日公表、有効回答4,430名)。育児・介護との両立17.1%、看護業務に専念できケアに十分な時間12.0%が続く。

この記事では、この順番で求人票の項目を全国平均と並べていきます。3位の人間関係は求人票では確かめられないので、離職率を代理の指標として使い、聞き方は看護師の面接で聞かれることと、実態を確かめる逆質問に分けました。ここで使う全国平均の大半は、日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月31日公表、全国8,022病院の看護部長に調査し3,502病院が回答、有効回収率43.7%)の値で、病院側(看護部長)の回答です。看護師本人の回答である日本医労連の調査と視点が違う点は、そのたびに書き分けます。看護師の転職記事の全体は看護師の転職ガイドにまとめています。

離職率は聞いてよい。全国平均は11.0%、既卒採用者は16.1%

離職率は、病院が毎年集計して日本看護協会の調査に回答している数字です。求人票に書く病院は少ないものの、聞かれて困る種類の情報ではありません。2024年度の全国平均(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)は次のとおりです。

  • 正規雇用看護職員の離職率 11.0%(前年度11.3%から0.3ポイント減)。2024年4月1日時点の正規雇用看護職員549,135人が母数で、定年退職・転職を含み、新卒の離職も含みます。
  • 新卒採用者の離職率 8.4%(前年度8.8%)。新卒採用37,386人のうち年度末までに3,144人が退職。
  • 既卒採用者の離職率 16.1%(前年と同じ)。既卒採用27,005人のうち年度末までに4,347人が退職。

転職する人が見るべきなのは3つ目の既卒採用者の離職率です。これは「中途で採用した看護師のうち、その年度の末までに辞めた人の割合」で、新卒の2倍近い水準です。中途入職者の約6人に1人が1年以内に辞めているという意味で、入職前に聞いていた条件と実態の差が、この数字に表れていると読めます。

病床規模別・設置主体別の離職率

応募先の規模と設置主体に近い行と比べると、「高い・低い」の判断がしやすくなります。

病床規模 正規雇用 新卒採用者 既卒採用者
99床以下13.1%13.8%19.0%
100〜199床12.6%11.3%18.0%
200〜299床11.3%8.8%14.4%
300〜399床11.1%8.3%14.4%
400〜499床10.1%8.2%14.5%
500床以上10.0%7.6%13.1%
全体11.0%8.4%16.1%

出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2024年度実績、回答3,502病院)。病床数が少ないほど離職率が高い。

設置主体(主なもの) 正規雇用 新卒採用者 既卒採用者
医療生協14.4%10.9%18.4%
医療法人14.0%10.3%18.1%
公益社団・財団法人13.0%9.6%16.3%
社会福祉法人12.3%11.2%17.0%
済生会11.3%9.9%13.3%
国立9.6%7.2%12.1%
日本赤十字社8.7%5.6%9.5%
公立8.0%8.1%9.1%
会社7.3%5.5%4.2%

出典: 同上。民間(医療法人・医療生協)は既卒採用者の離職率が18%台、国立・日赤・公立は12%以下。

都道府県でも差があり、正規雇用では大阪府・奈良県14.1%、神奈川県13.3%、東京都13.0%が高く、既卒採用者では大阪府・兵庫県20.1%、沖縄県20.0%、和歌山県18.8%と、既卒の5人に1人が1年以内に辞めている地域があります。

聞き方

面接でも見学でも、「貴院の正規雇用看護職員の離職率はどのくらいですか。昨年度は全国平均が11.0%、既卒採用者は16.1%と聞いていますが」と、平均を添えて聞きます。協会の調査票と同じ言葉(正規雇用看護職員・新卒採用者・既卒採用者)を使うと、看護部長は即答できます。「既卒採用者の離職率」まで聞いて答えが返ってくれば、中途入職者の定着を把握している病院です。答えが曖昧な場合は、この章の表で応募先の規模・設置主体の平均を自分の目安にしてください。

年間休日と週休形態:平均117.7日、4週8休が51.2%

求人票の休日表記は「4週8休」「完全週休2日」「年間休日◯日」の3種類が混在しています。全国の病院の就業規則(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)では次の分布です。

  • 週休形態: 4週8休 51.2%、完全週休2日制 23.3%、月3回週休2日 3.6%、月2回週休2日 3.7%、その他 16.0%
  • 所定年間休日総数: 平均 117.7日。120〜130日未満 48.8%、110〜120日未満 30.5%、100〜110日未満 12.6%、130日以上 3.5%、100日未満 2.0%
  • 週所定労働時間: 平均 38.7時間。40時間 34.4%、38〜39時間未満 28.6%、37〜38時間未満 19.5%

読み方のポイントは2つです。第一に、「4週8休」は休日の配り方であって、年間の日数ではありません。4週に8日をそのまま1年(13サイクル)に敷くと8日×13=約104日で、ここに祝日・年末年始・夏季休暇・創立記念日が別枠で加わるかどうかで、年間休日は104日前後から120日超まで開きます。「4週8休」の病院が51.2%ある一方で、年間休日が120日以上の病院が48.8%+3.5%あるのは、この別枠の違いです。第二に、調査の年間休日は年次有給休暇と慶弔休暇を含まない定義です。求人票に「年間休日125日(有給含む)」のように有給を足している例があるので、同じ定義にそろえて比べます。

法律の最低線も知っておくと、求人票の数字の位置が分かります。法律上は、週1日は必ず休みがある(または4週で4日以上)というのが最低線なので、「4週8休」はその2倍の水準です。労働時間の上限は週40時間・1日8時間で、病院の週所定労働時間は平均38.7時間、40時間の病院が34.4%です。所定労働時間が短い病院ほど、同じ月給でも時間あたりの賃金は高くなります。

聞き方は、「年間休日は何日ですか。年次有給休暇と慶弔休暇は含みますか。夏季休暇と年末年始は別枠ですか」です。「4週8休」だけの求人票では、この質問をしないと年間休日が分かりません。

残業は「病院の申告」と「本人の実態」で違う

残業の項目は、求人票の数字と働く本人の感覚が最も離れるところです。2つの調査を並べます。

誰が答えたか 月の時間外労働
病院(看護部長)
日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」3,502病院、2025年9月実績
1人あたり月平均 4.8時間。1〜4時間未満 34.9%、4〜7時間未満 22.7%、7〜10時間未満 13.7%、10〜15時間未満 8.9%、15〜20時間未満 1.5%、20時間以上 0.8%。0時間 3.4%、0超〜1時間未満 11.8%
看護職員本人
日本医労連・全大教・自治労連「2022年 看護職員の労働実態調査」35,933人、2022年9月実績
不払いを含む実際の時間外が 5時間以上 64.1%、20時間以上 19.4%、30時間以上 9.0%、50時間以上 1.5%。賃金不払い労働が「なし」の人は 31.6%(=約7割に不払いあり)、不払い10時間以上 14.5%。不払いになっている業務は 記録 57.9%、患者への対応 42.3%、情報収集 41.9%

※医労連調査の回答者は国立・公立・公的病院が約7割(民医連・医療生協23.8%、地場民間4.4%)で、民間中小病院の回答は少ない。年次も3年ずれているため、2つの数字を直接引き算するのではなく「申告と実態に差がある」構造として読む。

病院側の分布では月20時間以上が0.8%なのに、本人回答では19.4%が20時間以上です。差を生んでいるのは、本人回答で不払いの業務の1位になっている記録(57.9%)と、始業前の情報収集(41.9%)です。終業後に残って書く記録、始業前に来て読む情報収集が、申告されず病院の集計に入らない。この構造は病院単位で差が大きく、「申告しやすい病院」と「申告しにくい病院」の違いが、求人票の残業時間の差として表れています。

病棟の種類でも時間外は変わります。島根県「平成25年度 県内病院における看護職員夜勤実態調査」(2014年6月公表、53病院)では、2013年11月の病棟種類別の月平均時間外は、ICU/CCU 11.0時間、救急 10.3時間、一般 8.5時間、療養 4.1時間、回復期リハ 3.8時間、精神 1.5時間(全体6.9時間)でした。古い県単位の調査ですが、急性期と慢性期で時間外に数倍の差がある構造は、求人票を病棟別に読むときの目安になります。同じ調査で、時間外の主な要因は看護記録等81%・患者対応72%、時間外の管理方法は自己申告制53%、タイムカード34%、上司の現認25%でした。

そこで聞くべきなのは残業時間そのものより管理方法です。「時間外の管理は自己申告ですか、打刻ですか。記録が終わらず残る場合、時間外として申請できていますか。始業前の情報収集は労働時間に含めていますか」。打刻で管理し、始業前も含めて払っていると答える病院の「月5時間」と、自己申告の「月5時間」は別の数字です。前残業や記録が払われていないときの考え方と是正事例は看護師の前残業・記録・待機が払われていないときにまとめています。

有給取得率:平均69.6%、求人票に無ければ聞く

年次有給休暇の取得率は、求人票に書いてある病院と書いていない病院があります。2024年度の全国平均(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)は69.6%で、分布は次のとおりです。

  • 90%以上 14.8%/80〜90%未満 18.5%/70〜80%未満 18.4%/60〜70%未満 18.7%
  • 50%未満 計14.5%(40〜50%未満 7.5%、30〜40%未満 3.3%、20〜30%未満 1.5%、10〜20%未満 1.8%、10%未満 0.4%)

80%以上の病院が3分の1、50%未満の病院が7分の1です。取得率は「休みがとりやすい」(重要視すること2位・49.6%)を数字で確かめられる、ほぼ唯一の項目です。看護職員本人の調査でも、20〜39歳の正規フルタイム1,237名のうち有給取得率80%以上の人は看護職を続けたいと「とてもそう思う」が17.1%、取得率0.1〜19.9%の人は8.6%と、取得率と就業継続意向に差が出ています(日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。

法律の最低線は、有給は年5日は必ず取らせる決まりです。有給が年10日以上ある人には、病院側が1年のうちに5日分は日を決めて取らせなければなりません。取得率が50%未満の病院は、この5日は消化していても残りが取れていないと読めます。聞き方は「看護職員の年次有給休暇の取得率は何%ですか。希望日に取れていますか。病棟で取れる人数の上限はありますか」です。

給与の読み方:求人票の月給に夜勤何回分が入っているかを分解する

給与は重要視すること1位(53.6%)ですが、求人票の「月給◯万円」は病院ごとに含む手当が違うので、そのまま比べられません。全国平均の定義を先に押さえます。日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」の2025年度実績(月額)は次のとおりです。

モデル 平均基本給 平均税込給与総額
新卒(高卒+3年課程)216,416円285,078円
新卒(大卒)221,883円292,527円
勤続10年(31〜32歳・非管理職)254,286円340,278円

出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(回答3,502病院)。税込給与総額は通勤・住宅・家族・夜勤・当直・処遇改善手当等を含み、時間外手当は除く。夜勤は三交代8回/二交代4回を想定。新卒は単身・民間アパート・家族手当なし想定。労働政策研究・研修機構の記事(2026年4月8日)によれば、前年比は高卒3年課程の基本給+6,719円(3.2%)・税込+8,951円、大卒の基本給+6,269円(2.9%)、勤続10年の基本給+3,906円(1.6%)。

「税込給与総額」は夜勤8回(三交代)または4回(二交代)分の手当と、通勤・住宅などの手当を含み、時間外手当を除いた金額です。求人票の「月給」もほぼ同じ構造で書かれていることが多いので、次の順で分解します。

  1. 基本給を聞く。賞与・退職金・時間外手当の計算の土台は基本給です。全国平均は新卒216,416円(高卒3年課程)、勤続10年254,286円で、税込総額との差(新卒で約7万円、勤続10年で約8.6万円)が各種手当です。
  2. 月給に含まれる夜勤回数を聞く。「月給◯万円(夜勤4回分含む)」のように書いてあればそれを、書いていなければ「夜勤何回分の手当を含んだ金額ですか」と聞きます。夜勤が月2回なら、その分だけ月給は下がります。
  3. 夜勤手当の方式と1回の額を聞く。平日1回あたりの方式は3つに分かれ、全国の病院では「深夜割増を含む定額の夜勤手当」52.0%、「深夜割増とは別に定額手当」31.2%、「深夜割増のみで夜勤手当なし」4.5%です。定額支給の病院の1回あたり平均額は、三交代準夜 4,300円(中央値3,800円)、三交代深夜 5,211円(中央値4,500円)、二交代夜勤 11,470円(中央値11,200円)。労働政策研究・研修機構の記事によれば、いずれも2010年とほぼ変わっていません。深夜割増は、午後10時から午前5時までの労働に25%以上を上乗せする法律上の決まりで、「割増込みの定額」なのか「割増は別に付く」のかで、同じ額の夜勤手当でも手取り感は変わります。
  4. 回数に応じた加算の有無を聞く。夜勤回数に応じた手当がある病院は21.9%です。

たとえば二交代で「月給31万円(夜勤4回分含む)」の求人票なら、全国平均の二交代夜勤手当11,470円×4回=45,880円を引いた約26.4万円が、夜勤以外の月給の目安です(実際の額は病院の手当額で置き換えてください)。夜勤手当の額と夜勤の実態は看護師の夜勤の実態と求人票の夜勤表記の読み方で詳しく扱っています。

月額ではなく年収で相場を見たい場合は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査が参考になります。以下の物差しは年収ベースなので、上の協会の月額(手当込み・時間外除く)とは単純に比較しないでください。

転職判断の物差し

看護師・准看護師の賃金・労働時間・求人倍率

賃金・労働時間は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(一般労働者・男女計・企業規模10人以上)、求人倍率と求人票の月給は同省の職業情報提供サイト job tag に掲載のハローワーク求人統計(令和7年度)。年収は「残業代込みの月給×12+年間賞与」の換算値です。

1. 平均の姿(この職種で働く人の真ん中あたり)

項目 看護師准看護師
年収(換算)525万円428万円
残業代込みの月給36.6万円30.3万円
残業代を除いた月給33.3万円27.9万円
年間賞与85.6万円63.7万円
平均年齢42.1歳51.8歳
平均勤続年数9.8年13.6年
月の所定内労働時間156時間159時間
月の残業時間6時間4時間
集計対象の労働者数903,060人122,920人
有効求人倍率(令和7年度)2.38倍—
求人票の月給(ハローワーク平均)26.6万円—

求人票の月給は、ハローワーク求人に書かれた賃金(下限と上限の中間値)の平均で、残業代や賞与を含みません。「残業代込みの月給」より低く出るのが普通です。求人倍率は求職者1人あたりの求人数で、1倍を大きく超えるほど「選ぶ側」に立てます(全職業の平均は1.1倍・令和7年度・職業別集計の職業計)。

2. 会社の規模で変わる額(同じ職種でもここが分かれ目)

職種 企業規模 年収(換算) 残業代込みの月給 年間賞与 月の残業 平均勤続
看護師 1,000人以上 570万円 38.7万円 105.7万円 9時間 9.8年
100〜999人 506万円 35.8万円 77万円 4時間 10.3年
10〜99人 470万円 34万円 62.4万円 5時間 8.1年
准看護師 1,000人以上 457万円 33.4万円 56.3万円 3時間 17.6年
100〜999人 431万円 30.5万円 65.3万円 3時間 14年
10〜99人 414万円 29.2万円 62.9万円 6時間 12.1年

3. 年齢別の年収(換算・万円)— 自分の年齢帯の列を見る

職種 20-2425-2930-3435-3940-4445-4950-5455-5960-64
看護師 440501491519548561578574503
准看護師 345380390395425447431474437

4. 経験年数別の月給(残業代を除く・万円)— 転職直後に提示されやすい帯

職種 0年1〜4年5〜9年10〜14年15年以上
看護師 27.830.531.532.735.9
准看護師 24.925.425.527.128.9

「経験年数」はその職種での通算年数で、会社を変えてもリセットされません。「0年」はその職種に就いたばかりの人の額です。

産業全体の働き方の目安: 医療,福祉で働く一般労働者は月に19.2日出勤し、総労働時間153.6時間のうち残業は6.7時間(全産業は19.2日・160.5時間のうち残業13.2時間)。厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(事業所規模5人以上)。

この数字の読み方

  • 日本看護協会の病院看護実態調査の給与は「月額・夜勤8回または4回分の手当込み・時間外手当を除く」定義で、この表の賃金構造基本統計調査は「年収ベース・残業代込みの月給×12+年間賞与」の換算値です。定義が違うので、2つの数字を直接比べたり引き算したりしないでください。
  • 求人票の月給が平均より高く見えるときは、夜勤回数の想定が多いか、固定残業代が含まれているかを疑います。基本給と夜勤手当1回の額を聞いて分解してから比べてください。
  • 求人倍率が1倍を大きく超えている状態なので、離職率・取得率・管理方法を聞いたからといって選考で不利になる心配は小さいと言えます。聞くこと自体より、聞いた答えで職場を選ぶことに価値があります。

出典・取得日

取得日 2026年10月18日。統計の職業区分は記事の職種と完全には一致しません。各社の求人票の数字を読むための物差しとして使ってください。

人手不足の度合い:「不足感」は日勤36.9%・夜勤38.1%

求人票には書いてありませんが、残業・休日・夜勤回数のすべてに影響するのが人員の充足です。日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」で、看護部長が答えた充足状況は、日勤で「不足感」36.9%・「やや不足」32.3%・「適正」22.2%、夜勤で「不足感」38.1%・「やや不足」30.8%・「適正」25.3%でした。不足と答えた病院が日勤・夜勤ともに約7割です。

不足が看護師本人に何をもたらすかは、施設側が答えた別の調査に出ています。日本医労連「看護師の入退職に関する実態調査」(2023年5月公表、175施設の施設側回答)では、2023年4月の募集人員に対する充足率は平均69.5%、充足していない施設が63.6%で、看護師が充足されない場合の労働者への影響(141施設・複数回答)は、夜勤回数の増 64.0%、休みが取れない 48.6%、休憩が取れない 46.3%、長時間労働 44.6%でした。自由記載には「看護師のオーバーワーク(月8→月10回ほど)」とあります。求人票の「夜勤月4回程度」は、欠員が出た月に何回になるかまでは書いていません。

ここで注意したいのが「看護配置7対1」の読み方です。7対1・10対1・13対1は入院基本料の配置基準で、配置が厚い=余裕がある、ではありません。看護職員本人の回答(医労連2022年調査)では、月の時間外が20時間以上の割合は一般病棟7対1で28.0%、10対1で22.8%、13対1で20.3%と、7対1が最も高くなっています。配置基準は病棟の重症度の目安として読み、「配置基準上の人数と、実際に病棟にいる看護師の人数は何人ですか。いま欠員はありますか。欠員が出たとき夜勤回数はどう変わりますか」と実配置を聞きます。

働き方の選択肢があるか:「相談可」を具体化する

重要視すること4位の「希望する働き方ができる」(38.9%)は、求人票では「日勤のみ相談可」「夜勤回数相談可」と書かれます。全国の病院が人材確保のために導入している働き方(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」、複数回答)は次のとおりです。

導入している働き方 導入病院の割合 「相談可」を具体化する質問
日勤のみ54.7%日勤のみは何年目から、どの部署で可能か。日勤のみの人は現在何人いるか
夜勤回数・時間・曜日が選択できる44.1%月の夜勤回数の上限を本人が決められるか。土日の夜勤を外せるか
短時間勤務(育児・介護休業法以外)39.3%子どもが3歳を超えても時短を使えるか。時短のまま夜勤免除になるか
希望部署への配属38.7%入職時に部署を確約できるか。異動の頻度と本人希望の反映方法
夜勤のみ31.2%夜勤専従の月あたり回数と手当。日勤への戻り方
兼業・副業可26.6%許可制か届出制か。他院での単発勤務は可能か
定時をずらした勤務23.4%早出・遅出の始業時刻の選択肢
2交代か3交代を選択17.2%病棟単位か個人単位で選べるか
週休三日制0.9%1日の所定労働時間と年間休日は変わるか

出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(回答3,502病院、複数回答)。長期休職制度 12.7%も導入されている。

「相談可」は制度があることを示すだけで、使っている人がいるかは別です。「その制度をいま使っている看護師は何人いますか」を添えると、制度と実態の差が分かります。日勤のみ・短時間で働く選択肢として派遣や単発もあり、働ける場所の線引きは看護師の派遣・単発はどこで働けるかにまとめています。

聞いていい質問の一覧(15項目)

ここまでの項目を、求人票での表記例・聞き方・全国平均の順に一覧にしました。求人票に書いてあれば平均と見比べ、書いていなければ面接か見学で聞きます。賃金・労働時間などの条件をはっきり示すことは、求人を出すときも採用を決めるときも病院側の義務で、求人票と実際の条件が違えば、入ってすぐ辞めても問題ありません。確認して答えてもらうことは、法律が前提にしている手続きの一部です。

項目 求人票での表記例 面接・見学での聞き方 全国平均(病院)
1. 離職率記載なしが多い。「定着率◯%」正規雇用看護職員の離職率は? 既卒採用者では?11.0%/既卒 16.1%
2. 年間休日「年間休日120日」「4週8休」年間休日は何日? 有給・慶弔は含む? 夏季・年末年始は別枠?117.7日(有給・慶弔を含まず)
3. 週休形態「4週8休」「完全週休2日」4週8休の場合、月の休日の最少は何日?4週8休 51.2%・完全週休2日 23.3%
4. 所定労働時間「8:30〜17:15(休憩60分)」週の所定労働時間は? 日勤の始業前に申し送りや情報収集の時間がある?週 38.7時間
5. 残業時間「月平均5時間」「残業ほぼなし」病棟別の月平均は? ICUと療養で違う?病院申告 月4.8時間/本人回答 5時間以上 64.1%
6. 残業の管理方法記載なし自己申告か打刻か? 始業前・記録の時間は申請できる?自己申告 53%・タイムカード 34%(島根県2013年度)
7. 有給取得率「有給取得率80%」または記載なし看護職員の取得率は? 希望日に取れている?69.6%
8. 基本給「月給28万円〜」(基本給は小さく)基本給はいくら? 賞与の算定基礎は基本給?新卒 216,416円/勤続10年 254,286円
9. 月給に含む夜勤回数「月給◯万円(夜勤4回含む)」この月給は夜勤何回分込み? 夜勤が減ったらいくら?協会モデルは三交代8回/二交代4回で 285,078円(新卒)
10. 夜勤手当「夜勤手当 1回12,000円」深夜割増込み? 別建て? 回数に応じた加算は?二交代 11,470円/準夜 4,300円/深夜 5,211円。割増込み定額 52.0%
11. 夜勤回数「夜勤月4回程度」直近3か月の実績は? 欠員が出た月は何回になった?72時間を超える夜勤者 33.9%(一般病棟)
12. 人員の充足記載なし(「7対1」は配置基準)いま欠員は? 配置基準上の人数と実配置は?夜勤に不足感 38.1%・やや不足 30.8%
13. 働き方の選択「日勤のみ相談可」「時短あり」その制度を使っている人は何人? 何年目から使える?日勤のみ導入 54.7%・夜勤回数等選択 44.1%
14. 夜勤の休憩「休憩120分」規定の休憩と、実際に取れている時間は? 仮眠室はある?規定は二交代16時間以上で平均126.2分
15. 勤務間隔記載なし日勤→夜勤入りの最短間隔は? 勤務間隔11時間以上はルール化されている?勤務間隔11時間以上を規定 75.5%

出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(回答3,502病院、2024〜2025年度実績)、日本医労連ほか「2022年 看護職員の労働実態調査」(35,933人)、島根県「平成25年度 県内病院における看護職員夜勤実態調査」(53病院)。

15項目すべてを面接で聞く必要はありません。求人票で分かる項目(2・3・4・8・10)は平均と見比べるだけにし、面接では1(離職率)・6(管理方法)・9(月給の夜勤回数)・12(欠員)・13(制度の利用者数)の5つに絞ると、聞く側も答える側も負担が小さく、求人票に出ない情報が揃います。

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よくある質問

面接や見学で離職率を聞くと印象が悪くなりませんか?

離職率は病院が毎年集計して日本看護協会の調査に回答している数字で、秘密の情報ではありません。2024年度の全国平均は正規雇用11.0%、新卒8.4%、既卒16.1%です(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」、回答3,502病院)。「貴院の正規雇用看護職員の離職率はどのくらいですか。全国平均の11.0%と比べてどうでしょうか」と、平均を添えて聞けば、調べて来たことが伝わる質問になります。答えられない・はぐらかされる場合は、その事実自体が判断材料です。

求人票の「4週8休」は多いのですか、少ないのですか?

病院の週休形態として最も多い形です。4週8休が51.2%、完全週休2日制が23.3%で、約半数の病院が4週8休です。4週8休をそのまま1年に敷くと8日×13サイクル=約104日で、ここに祝日・年末年始・夏季休暇が加わるかどうかで年間休日が決まります。所定年間休日の全国平均は117.7日、120〜130日未満の病院が48.8%です。求人票の「4週8休」だけでは年間休日は分からないので、「年間休日は何日ですか。年次有給休暇と慶弔休暇は含みますか」と日数で確認します。

求人票の月給には夜勤手当が含まれていますか?

含まれていることが多く、何回分かは求人票ごとに違います。日本看護協会の調査が公表する「税込給与総額」(新卒・高卒3年課程 285,078円、大卒 292,527円、勤続10年 340,278円)は、三交代なら夜勤8回、二交代なら4回分の夜勤手当と通勤・住宅・家族・処遇改善手当等を含み、時間外手当を除いた金額です。求人票の月給も同じ構造で書かれていることが多いので、「この月給は夜勤何回分の手当を含んでいますか。基本給はいくらですか。夜勤手当は1回いくらで、深夜割増は別に付きますか」と分解して聞きます。二交代の夜勤手当は平均11,470円(中央値11,200円)です。

求人票の残業「月5時間程度」は信じていいですか?

病院が把握している数字としては全国平均どおりですが、本人の実態とは差があります。病院が回答した1人あたり月平均超過勤務は4.8時間(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)ですが、看護職員本人35,933人が回答した日本医労連の2022年調査では、不払いを含む実際の時間外労働が月5時間以上の人が64.1%、賃金不払い労働が「なし」と答えた人は31.6%にとどまります。差が出る原因は、始業前の情報収集や終業後の記録が申告されないことです。求人票の数字を疑う前に、「時間外の管理は自己申告ですか、打刻ですか。記録が終わらないときの扱いはどうなっていますか」と管理方法を確認するのが現実的です。

看護配置が7対1の病院なら、人手に余裕があって楽ですか?

そうとは言えません。7対1は患者7人に対して看護職員1人という入院基本料の配置基準で、急性期の重症度が高い病棟に適用されます。日本医労連の2022年調査では、月の時間外労働が20時間以上の割合は一般病棟7対1で28.0%、10対1で22.8%、13対1で20.3%と、配置が厚い7対1のほうが高くなっています。島根県の2013年度調査でも、ICU/CCUの月平均時間外は11.0時間、救急10.3時間に対し、精神1.5時間、回復期リハ3.8時間です。配置基準は「忙しさの種類」を示す指標として読み、実際の受け持ち人数と欠員の有無を別に聞いてください。

参考:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」報告書(2026年3月31日)/日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」ニュースリリース(2026年3月31日)/労働政策研究・研修機構「病院看護実態調査」解説記事(2026年4月8日)/日本医労連・全大教・自治労連「2022年 看護職員の労働実態調査」(2023年5月11日)/日本医労連「看護師の入退職に関する実態調査」(2023年5月31日)/島根県「平成25年度 県内病院における看護職員夜勤実態調査」(2014年6月30日)/e-Gov法令検索「労働基準法」(労働条件の明示・休日・労働時間・深夜割増・有給の年5日)/同「職業安定法」(求人時の労働条件明示)

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