30秒でわかる結論
看護師本人の調査では「辞めたい」が79.2%。理由の上位は人手不足58.1%・賃金42.6%・休暇32.6%で、夜勤・時間外・休憩の有無で「いつも辞めたい」は13.7%から47.7%まで動きます(日本医労連ほか2022年調査、35,933人)。
管理者が見る退職理由は「精神的疾患54.6%・適性への不安46.6%」。当事者の上位とは順位が逆です。あなたの書類と面接を読む側は、この物語を前提にしています。
棚卸しは「上位7つのどれか特定→求人票で確認→面接で逆質問」の順。理由をそのまま書かず、次に担いたい看護へ言い換える工程は志望動機・転職理由の書き方で扱います。
当事者調査で見る「辞めたい」の実数
看護師が辞める理由を語る調査は多くありますが、看護師本人が答えた大規模調査は限られます。もっとも回答数が多いのは、日本医労連・全大教・自治労連の「2022年 看護職員の労働実態調査」(2023年5月記者発表、2022年9月実績、回答35,933人)です。回答者の勤務先は国立・公立・公的病院が約7割、民医連・医療生協が23.8%、地場の民間病院は4.4%で、民間中小病院の実態は反映されにくい調査である点は先に断っておきます。
この調査で「仕事を辞めたいと思うか」に、「いつも思う」24.0%、「ときどき思う」55.2%、合わせて79.2%が辞めたいと答えています。「思わない」は16.6%です。背景として、十分な看護が「できている」2.2%・「大体できている」30.5%にとどまり、できない理由の1位は「人員が少なく業務が過密」85.3%、慢性疲労(休日でも回復しない27.1%+翌日に残る51.3%)は78.4%でした。
辞めたい主な理由(上位7項目)
| 順位 | 理由(3つまで複数回答) | 2022年 | 2017年 |
|---|---|---|---|
| 1 | 人手不足で仕事がきつい | 58.1% | 47.7% |
| 2 | 賃金が安い | 42.6% | 36.6% |
| 3 | 思うように休暇が取れない | 32.6% | 33.7% |
| 4 | 夜勤がつらい | 23.6% | 27.9% |
| 5 | 思うような看護ができず達成感がない | 23.1% | ― |
| 6 | 職場の人間関係 | 20.1% | ― |
| 7 | 家族に負担をかける | 13.3% | ― |
| 「仕事を辞めたい」(いつも+ときどき) | 79.2% | 74.9% | |
出典:日本医労連・全大教・自治労連「2022年 看護職員の労働実態調査」(回答35,933人)、日本医労連「2017年 看護職員の労働実態調査」(回答33,402人)。2017年の列は公表されている上位4項目のみ。
5年前の同調査と比べると、「人手不足で仕事がきつい」は47.7%から58.1%へ、「賃金が安い」は36.6%から42.6%へ上がり、休暇と夜勤はほぼ横ばいです。1位の「人手不足」は勤務形態で差があり、日勤のみの人は44.8%、3交替・2交替の人は60%台でした。年齢別では20〜24歳が63.7%で最も高く、30〜34歳61.5%、35〜39歳57.3%、50〜59歳53.3%と、若い層ほど人手不足を理由に挙げています。
「いつも辞めたい」は働き方の条件でここまで動く
「いつも思う」24.0%は全体の平均です。同じ調査を勤務形態・時間外・休憩・やりがいで分けると、「いつも思う」の割合は10%台から40%台まで動きます。自分の条件がどの行に当たるかを見てください。
| 切り口 | 条件 | 「いつも辞めたい」 |
|---|---|---|
| 勤務形態 | 日勤のみ | 17.4% |
| 3交替 | 25.9% | |
| 2交替(12〜16時間未満) | 26.3% | |
| 2交替(16時間以上) | 27.3% | |
| 夜勤専門 | 26.0% | |
| 1か月の時間外労働 | なし | 13.7% |
| 20〜30時間 | 30.0% | |
| 50〜60時間 | 38.1% | |
| 60〜70時間 | 42.2% | |
| 休憩 | きちんと取れている(各勤務帯) | 約20% |
| 全く取れていない・日勤 | 43.4% | |
| 全く取れていない・準夜 | 39.8% | |
| 全く取れていない・深夜 | 41.4% | |
| 全く取れていない・2交替夜勤 | 47.7% | |
| 仕事のやりがい | 強く感じる | 7.4% |
| 少し感じる | 18.1% | |
| まったく感じない | 63.1% | |
| 職場 | 一般病棟 | 27.6% |
| 集中治療室 | 24.3% | |
| 手術室 | 23.0% |
出典:日本医労連・全大教・自治労連「2022年 看護職員の労働実態調査」(回答35,933人)。全体の「いつも思う」は24.0%。
読み取れるのは、辞めたい気持ちは性格や適性より、時間外と休憩という体制の条件に沿って増えることです。時間外がない人の13.7%と、60〜70時間の人の42.2%の差は3倍です。休憩を全く取れていない2交替夜勤者の47.7%は、2人に1人が「いつも」辞めたいと思っている水準です。同じ調査で、休憩が「きちんと取れている」と答えた人は日勤24.1%、準夜21.8%、深夜28.0%、2交替夜勤26.8%にとどまります。夜勤の中身は夜勤の実態と求人票の夜勤表記の読み方で別に扱っています。
「働き続けたい」は6割に低下した
医労連の調査は労働組合が主体で、回答者が公的病院に偏る点を指摘されます。そこで、日本看護協会の会員調査も並べます。日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(2026年3月31日公表、会員13,633名から層化無作為抽出、有効回答4,430名、回収率34.5%)は、平均43.3歳、病院勤務84.2%、正規フルタイム81.1%の看護職が答えています。
「看護職として働き続けたいと思うか」に「とてもそう思う」18.5%、「ややそう思う」44.4%、合わせて62.9%でした。2021年の同調査は25.4%+42.2%=67.6%なので、4年で4.7ポイント下がり、特に「とてもそう思う」が25.4%から18.5%に減っています。辞めたい人が8割という医労連の数字とは設問が逆ですが、「強く続けたい」が2割を切った点は同じ方向を示しています。
年齢別・勤務先別の「働き続けたい」
| 区分 | とてもそう思う | ややそう思う |
|---|---|---|
| 20〜29歳(n=715) | 10.6% | 43.1% |
| 30〜39歳 | 12.2% | 46.3% |
| 40〜49歳 | 22.8% | 44.0% |
| 50〜59歳 | 23.2% | 44.5% |
| 60〜69歳 | 20.1% | 42.8% |
| 病院(n=3,659) | 16.5% | ― |
| 診療所 | 30.8% | ― |
| 訪問看護ステーション(n=187) | 38.5% | ― |
| 介護施設 | 27.0% | ― |
| 行政 | 23.9% | ― |
出典:日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(有効回答4,430名)。勤務先別は「とてもそう思う」のみ公表。
20代は「とてもそう思う」が10.6%で全年代の最低です。40代以降の22〜23%とは2倍の差があります。勤務先別では病院16.5%に対し訪問看護ステーション38.5%で、同じ看護職でも、どこで働くかで「強く続けたい」の割合が2倍以上違います。訪問看護の回答数は187名と少ないので幅をもって読む必要がありますが、辞めたい理由が勤務先の体制に由来するなら、職場を変えることで変わり得ることを示す数字です。
働き続けるために重要視すること
| 項目(3つまで複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 業務や役割、責任に見合った賃金額 | 53.6% |
| 休みがとりやすい | 49.6% |
| 職場の人間関係が良い | 48.5% |
| 希望する働き方ができる | 38.9% |
| 時間外労働が少ない | 25.1% |
| 育児・介護との両立 | 17.1% |
| 看護業務に専念できケアに十分な時間 | 12.0% |
出典:日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(4,430名)。
賃金・休み・人間関係・働き方の4項目が、それ以下と大きく離れています。協会のリリースは、継続意向がない人は休みの取りやすさと残業の少なさを、ある人は人間関係と希望する働き方を重視する傾向があると述べています。言い換えると、辞めたい人は「まず休める環境」を求め、続けたい人は「どう働くか」を見ている、という違いです。
この違いは数字でも出ています。20〜39歳の正規フルタイム1,237名を超過勤務で分けると、月6時間以下の人は「とてもそう思う」11.8%・「あまりそう思わない」17.2%、月24〜36時間の人は2.9%・27.9%、36時間超の人は8.0%・36.0%(36時間超はn=25)でした。年次有給休暇の取得率が80%以上の人は「とてもそう思う」17.1%、0.1〜19.9%の人は8.6%です。医労連調査と同じく、時間外と休みの条件が、続けたいかどうかを左右しています。
管理者の見方と当事者の見方は違う
ここまでの2つは看護師本人の回答です。これに対し、日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月31日公表、全国8,022病院の看護部長を対象、回答3,502病院)は施設側の回答です。この調査には、看護管理者が考える新卒看護師の主な退職理由(5つまで複数回答、新卒退職者1名以上の993病院)が入っています。
| 管理者が考える新卒の退職理由(上位) | 割合 |
|---|---|
| 健康上の理由(精神的疾患) | 54.6% |
| 自分の看護職員としての適性への不安 | 46.6% |
| 自分の看護実践能力への不安 | 44.2% |
| 上司・同僚との人間関係 | 27.0% |
| 他施設への関心・転職 | 23.0% |
| 健康上の理由(身体的疾患) | 15.4% |
| 他分野(看護以外)への関心・転職 | 14.9% |
| 夜勤の負担が大きい | 3.8% |
| 給与への不満 | 2.6% |
| 教育体制への不満 | 2.5% |
| 超過勤務が多い | 1.8% |
| 休暇がとれない | 1.2% |
出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(看護部長回答、新卒退職者1名以上の993病院、5つまで複数回答)。
当事者調査の上位と並べると、順位がほぼ逆転しています。
| テーマ | 当事者(辞めたい理由) | 管理者(新卒の退職理由) |
|---|---|---|
| 人手不足・業務量 | 58.1% | 該当項目なし(超過勤務1.8%) |
| 賃金・給与 | 42.6% | 2.6% |
| 休暇 | 32.6% | 1.2% |
| 夜勤 | 23.6% | 3.8% |
| 人間関係 | 20.1% | 27.0% |
| 健康(精神)・適性・能力 | 該当項目なし | 54.6%/46.6%/44.2% |
当事者=日本医労連ほか2022年調査(全年齢の看護職員本人、3つまで)、管理者=日本看護協会2025年病院看護実態調査(新卒退職者について看護部長が回答、5つまで)。対象者・設問・選択肢が異なるため、同じ土俵の比較ではない点に注意。
注意してほしいのは、この2つは対象も設問も違うことです。当事者調査は全年齢の「辞めたい理由」、管理者調査は「新卒が実際に辞めた理由を管理者がどう見ているか」です。選択肢の構成も違うので、「どちらが正しいか」を決める材料にはなりません。
それでも並べる意味があるのは、あなたの職務経歴書を読み、面接で質問する側が、この「管理者の物語」を前提にしているからです。看護部長の半数以上が、新卒が辞める理由を「精神的疾患」「適性への不安」「実践能力への不安」と見ています。同じ調査では、メンタルヘルス不調で1か月以上連続して休んだ職員が「とても増加」2.8%・「やや増加」23.1%と、4分の1の病院で増えています。管理者にとって退職は、まず個人の健康と適性の問題として見える構造があります。
だから、転職理由を「人手不足で残業が多かった」とそのまま書くと、読み手には「業務に適応できなかった人」という物語に回収されやすくなります。体制の数字(受け持ち人数、夜勤体制、月の時間外時間)で事実を書き、次に担いたい看護へ言い換える必要があるのは、このズレがあるからです。言い換えの表は志望動機・転職理由の書き方にあります。
10年以上前の調査と比べて何が変わったか
厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査」(2010年8月〜2011年1月実施、看護師等養成所の卒業生を対象、有効回答20,388人)は約15年前の古い調査ですが、看護職員本人に退職理由と転職希望の理由を聞いた数少ない公的調査です。年次を踏まえて読んでください。
| 設問 | 上位の回答(2010〜11年) |
|---|---|
| 退職経験者の退職理由 | 出産・育児 22.1%/その他 19.7%/結婚 17.7%/他施設への興味 15.1% |
| 他施設で働きたい理由 | 他施設への興味 34.1%/給与に不満 31.1%/休暇がとれない・とりづらい 24.5% |
| 就業者の継続予定 | 現在の施設で働き続けたい 64.0%/他施設で看護職員として働きたい 17.2%/看護職員以外 3.4%/仕事はしない 1.4% |
| 現在の施設で続けたい理由 | 通勤が便利 51.9%/人間関係がよい 39.2%/勤務時間が希望に合う 26.2% |
出典:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査」(平成22年8月〜23年1月、有効回答20,388人)。
当時、実際に辞めた人の理由の上位は出産・育児と結婚というライフイベントでした。これに対し2022年の医労連調査で辞めたい理由の上位にあるのは、人手不足・賃金・休暇という労働条件です。設問が「辞めた理由」と「辞めたい理由」で違い、回答者層も違うので直接の比較はできませんが、「他施設で働きたい理由」の給与31.1%・休暇24.5%は当時から上位にあり、賃金と休暇が転職を考える動機であることは15年前から変わっていません。
この古い調査には、転職先を選んだ基準も入っています。再就職先を選んだ理由は「通勤が便利」56.5%、「勤務時間が希望に合う」51.0%、「短時間勤務ができる」20.4%、再就職先を探した手段は「友人・知人の紹介」26.7%、「ハローワーク」22.1%、「ナースセンター」10.2%でした。辞める理由は労働条件なのに、選ぶ基準は通勤と勤務時間で決まる、という構図は、転職先で同じ理由を繰り返さないために意識しておきたい点です。
辞めた後、残った人に何が起きるか
「自分が辞めたら残る同僚の夜勤が増える」という感覚は、看護師が辞めにくい理由としてよく語られます。これも施設側の数字があります。日本医労連「看護師の入退職に関する実態調査」(2023年5月31日記者会見、175施設の施設側回答)では、2022年度の退職者が前年度より「増えた」施設が37.1%、1施設あたりの平均退職者は25.7人、2023年4月の募集人員に対する充足率は平均69.5%で、充足していない施設が63.6%でした。
| 看護師が充足されない場合の影響(複数回答、141施設) | 割合 |
|---|---|
| 夜勤回数の増 | 64.0% |
| 休みが取れない | 48.6% |
| 休憩が取れない | 46.3% |
| 長時間労働 | 44.6% |
| (医療提供体制)稼働病床の削減 | 20.6% |
| (医療提供体制)入院受け入れ制限 | 17.1% |
| (医療提供体制)病棟集約 | 11.4% |
| (医療提供体制)病棟閉鎖 | 8.6% |
出典:日本医労連「看護師の入退職に関する実態調査」(2023年、175施設の施設側回答)。自由記載に「看護師のオーバーワーク(月8→月10回ほど)」との記述あり。
欠員の影響は、まず残った人の夜勤回数・休み・休憩に出ます。これは当事者調査で「いつも辞めたい」を押し上げていた3つの条件と同じです。つまり、1人が辞めると残った人の辞めたい条件が強まり、次の退職につながる循環が、施設側の回答からも読めます。派遣看護師を導入していない施設は74.9%で、欠員を外から埋める手段を使っている施設は少数です。
この循環があるから、「辞めるのは同僚に申し訳ない」という感覚が生まれます。ただ、この循環を止める責任は施設にあり、個人が辞めないことで解消する構造ではありません。残る人の夜勤が増える現実と、自分が辞める権利は別の話です。
法律上の最低線は「申し出から2週間」
期間の定めのない雇用(いわゆる正職員)なら、退職は、申し出てから2週間たてば成立します。理由を言う必要もありません。契約期間のある雇用でも、やむを得ない事情があれば途中で辞められます(ただし途中退職は損害賠償の話が出ることもあるので、期間のある契約の人は申し出る前に確認してください)。
就業規則に予告期間の定めがある職場では、引き継ぎと勤務表の都合を考えて、その期間に合わせて申し出るのが現実的です。ただ、引き留めが長引いたときに「法律上はいつ辞められるのか」を知っていることは、交渉の土台になります。退職届に書く理由は退職理由の書き方、届け自体の書式は退職届の書き方、引き留めへの対応は退職交渉の進め方で扱っています。
この実数を転職理由の棚卸しに使う
ここまでの数字は、自分の「辞めたい」を客観的に位置づけるための材料です。転職理由を棚卸しする手順は4つです。理由をそのまま書類に書く工程はここには含めません。言い換えは志望動機・転職理由の書き方で行います。
手順1:自分の理由が上位7つのどれかを特定する
- 人手不足で仕事がきつい(58.1%)― 受け持ち人数、夜勤の看護師数、月の時間外時間を数字で書き出す
- 賃金が安い(42.6%)― 基本給と夜勤手当を分けて書き出す。夜勤を減らす転職では手当分が下がる
- 思うように休暇が取れない(32.6%)― 年次有給休暇の取得日数、希望休が通った回数
- 夜勤がつらい(23.6%)― 月の夜勤回数、1回の拘束時間、休憩と仮眠が実際に取れた時間
- 思うような看護ができず達成感がない(23.1%)― 何に時間を取られ、何ができなかったか
- 職場の人間関係(20.1%)― 誰との、どの場面の問題か。ハラスメントに当たる場合はパワハラで退職するときの進め方も参照
- 家族に負担をかける(13.3%)― 夜勤・残業が家庭に影響した具体的な場面
複数に当たるのが普通です。上位にある理由ほど、次の職場でも起こり得る体制の問題なので、転職先の確認項目に直結します。
手順2:理由ごとに求人票で確認する項目を決める
理由が決まれば、求人票で見る項目も決まります。全国値と並べて読むための数字を、日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(3,502病院)から抜き出しておきます。
| 辞めたい理由 | 求人票・公開情報で見る項目 | 比べる全国値(病院回答) |
|---|---|---|
| 人手不足 | 看護配置(7対1・10対1など)、病床数、離職率 | 正規雇用看護職員の離職率 11.0%、新卒 8.4%、既卒 16.1%(2024年度)。99床以下は正規 13.1%、500床以上は 10.0% |
| 賃金 | 基本給、夜勤手当の方式と額、夜勤回数の想定 | 新卒(大卒)基本給 221,883円・税込給与総額 292,527円、勤続10年 基本給 254,286円・税込 340,278円。二交代夜勤手当 平均 11,470円(中央値 11,200円) |
| 休暇 | 週休形態、年間休日数、有給取得率 | 4週8休 51.2%・完全週休2日 23.3%、所定年間休日 平均 117.7日、年次有給休暇取得率 平均 69.6%(2024年度) |
| 夜勤 | 交代制の種類、1回の夜勤時間、月の夜勤回数、休憩規定 | 二交代16時間以上が最多適用 66.0%、二交代の最長夜勤 平均 16.2時間、規定休憩 平均 126.2分。一般病棟で月72時間を超える夜勤者 33.9% |
| 時間外 | 月平均の超過勤務時間(施設が申告する値) | 病院が回答した1人あたり月平均 4.8時間(2025年9月)。当事者調査では「5時間以上」64.1%・「20時間以上」19.4%と乖離がある |
出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(3,502病院)。時間外の当事者側は日本医労連ほか2022年調査(不払い含む実際の時間)。
時間外の行で、病院が回答した月平均4.8時間と、看護師本人が答えた「5時間以上」64.1%は大きくずれています。求人票の残業時間は施設の申告値なので、この乖離を前提に読む必要があります。求人票の各項目を全国値と並べて読む手順は看護師の求人票の見方にまとめています。
手順3:求人票に出ない項目は面接の逆質問で確かめる
休憩が実際に取れているか、欠員が出たときに夜勤回数がどう動くか、有給は希望日に取れているか、は求人票には書かれません。日本看護協会の2025年看護職員実態調査では、2交代の規程上の休憩は120〜150分未満が45.7%で最多ですが、実際に取れた休憩の最頻値は90〜120分未満32.9%で、規程と実態に差がありました。「規程は何分で、先月の実績はどうでしたか」と数字で聞くと、答え方で体制が見えます。逆質問の組み立ては看護師の面接で聞かれることと実態を確かめる逆質問で扱っています。
手順4:理由を「次で担いたい看護」に言い換えて書類にする
手順1で特定した理由は、そのままでは前職の不満です。管理者の見方との差を踏まえ、体制の数字と次に求める看護の形に置き換えてから、職務経歴書と面接で使います。この工程は志望動機・転職理由の書き方、職務経歴書本体は看護師の職務経歴書の書き方に分けています。看護師の転職記事は看護師の転職ガイドに集めています。
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よくある質問
看護師の8割が「辞めたい」と思っているのは異常ですか?
多数派です。日本医労連などの「2022年 看護職員の労働実態調査」(回答35,933人)では「いつも思う」24.0%と「ときどき思う」55.2%を合わせて79.2%が辞めたいと答え、2017年の同調査でも74.9%でした。日本看護協会の「2025年 看護職員実態調査」(回答4,430名)でも、看護職として働き続けたいと思う人は62.9%で、2021年の67.6%から下がっています。辞めたいと思うこと自体は少数派の感情ではありません。ただし医労連調査の回答者は国公立・公的病院の職員が約7割で、民間中小病院の実態は反映されにくい点は踏まえてください。
転職すれば「辞めたい」は解決しますか?
理由の種類によります。当事者調査の上位にある人手不足・休暇・夜勤は職場ごとの体制の差が大きく、転職で変わり得る理由です。日本看護協会の2025年調査では、看護職として働き続けたいと「とてもそう思う」人は病院勤務で16.5%、訪問看護ステーション勤務で38.5%と、勤務先で2倍以上の差があります。一方で賃金は夜勤手当の有無で大きく動くので、夜勤を減らす転職では年収が下がることがあります。理由を特定してから、求人票と面接でその項目を確かめる手順が必要です。
人間関係が理由で辞めるのは恥ずかしいことですか?
恥ずかしいことではありません。当事者調査では「職場の人間関係」は辞めたい理由の20.1%で上位7項目に入り、看護部長が見る新卒の退職理由でも「上司・同僚との人間関係」は27.0%で4番目です。日本看護協会の2025年調査では、この1年に暴力・ハラスメントを受けた経験がある人が49.3%で、相手は患者・利用者69.3%に次いで上司(看護職)が43.0%でした。書類や面接では感情ではなく体制の事実に言い換えて書けば、前職の批判にはなりません。
20代で辞めても、次の職場はありますか?
あります。日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」(回答3,502病院)では、2024年度に病院が採用した既卒看護職員は27,005人で、新卒採用37,386人と並ぶ規模の採用が毎年あります。20代は働き続けたいと「とてもそう思う」人が10.6%と全年代で最も低く、辞めたい気持ちを持つ人が最も多い年代です。新卒1〜3年目で辞めたいときの考え方は別記事で扱っています。
退職理由は管理者に正直に言うべきですか?
法律上、理由を述べる義務はありません。正職員なら、退職は申し出てから2週間たてば成立し、理由を言う必要もありません。管理者の見方と当事者の見方には差があり、人手不足や賃金を理由に挙げても、受け手が「適性や健康の問題」として受け取る可能性があります。改善を求めたい場合は具体的な体制の数字で伝え、辞める意思が固いなら「一身上の都合」で足ります。
看護師以外も含めた医療・介護の職種別ガイドは医療・介護・保育の職種別ガイド、看護師の記事一覧は看護師の転職ガイドにあります。
参考:日本医労連・全大教・自治労連「2022年 看護職員の労働実態調査」/日本医労連「2017年 看護職員の労働実態調査」/日本医労連「看護師の入退職に関する実態調査」(2023年)/日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」ニュースリリース/日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」報告書/厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査」(平成22〜23年)/e-Gov法令検索「民法」(退職の申入れ)