30秒でわかる結論
- 業務内容は「業務・規模・役割・実績・工夫」の5要素で書く
- 職務経歴書に決まった様式はない。A4縦1〜2枚・逆編年体が基本形
- 成果の数字がなくても件数・頻度・人数・時間で規模は示せる
- 書くのは実際に把握している事実だけ。誇張はNG、ただし「応募先に合わせて選ぶ」のは編集であり必須
- 全業務を羅列しない。応募先に関係する業務を厚く、それ以外は薄く
業務内容欄に書くべき5要素
職務経歴書の業務内容欄で採用担当者が知りたいのは、「何をしていたか」だけではなく「どの規模の仕事を、どんな立場で、どの程度やれる人か」です。次の5要素を意識すると、同じ経歴でも伝わり方が変わります。
| 要素 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| ① 業務 | 何を担当したか | 法人向けの新規開拓営業 |
| ② 規模 | 件数・人数・金額・頻度 | 担当顧客約80社、月間訪問50件 |
| ③ 役割 | チーム内での立場 | 5名チームのリーダー/メンバー |
| ④ 実績 | 結果として何が起きたか | 年間売上目標を2年連続達成 |
| ⑤ 工夫 | 成果を出すためにやったこと | 提案資料のテンプレ化で準備時間を短縮 |
5要素すべてを毎回埋める必要はありません。ただ「①業務」だけが並んだ職務経歴書は求人票の裏返しにしかならず、あなたである必然性が伝わりません。②規模と⑤工夫が入ると、途端に「その人の仕事」になります。
前提:様式は自由。形式は3つから選ぶ
履歴書には厚生労働省の様式例がありますが、職務経歴書に公的な決まった様式はありません。A4縦1〜2枚にまとめるのが一般的です。構成は次の3形式から、自分の経歴が最も伝わるものを選びます。
- 逆編年体式(基本形):新しい経歴から順に書く。直近の経験が応募職種に近い人に最適で、中途採用では最も一般的
- 編年体式:古い順に書く。キャリアの積み上がりを見せたい若手向け
- キャリア式:時系列ではなく業務分野ごとにまとめる。転職回数が多い人、複数職種を経験した人向け。詳しくは転職回数が多い人の職務経歴書を参照
冒頭に置く3〜4行の職務要約の書き方は職務要約の書き方で別途解説しています。業務内容欄はこの要約の「明細」にあたります。
書き方の3原則
原則1:事実だけを書く。実績の数字は、実際に把握しているものだけを使います。誇張や虚偽は面接の深掘りで答えられなくなり、入社後に発覚すれば経歴詐称として処分の対象になり得ます。正確に思い出せない数字は「約」「平均」を付けるか、書かない判断をしてください。
原則2:応募先に合わせて「選ぶ」。これは盛ることとは違います。担当した業務のうち、応募先の仕事に関係するものを厚く書き、関係の薄いものは1行に圧縮するか省略する——この編集をするかどうかが、書類の通過しやすさを大きく左右します。応募先が求める経験は求人票の「仕事内容」「歓迎要件」に書いてあります。
原則3:名詞と数字で書く。「さまざまな業務に柔軟に対応」のような抽象表現は情報量がゼロです。ツール名・商材名・顧客層・件数など、固有名詞と数字に置き換えます。
職種別の記入例文5選
以下はそのまま流用できる形式の例文です。数字・内容は必ず自分の実際の経歴に置き換えてください。
例文1:営業職
【業務内容】中堅製造業向けの業務用機器の新規開拓営業および既存顧客のルート営業(担当約60社)
・テレアポ、展示会リードへのアプローチによる新規開拓(月間商談15件)
・既存顧客への定期訪問、追加提案、契約更新対応
・見積作成、納期調整、社内の技術部門との仕様調整【実績】2025年度 個人売上目標達成率108%(部内12名中3位)
【工夫】失注案件の理由を記録・分析し、提案初期に価格帯の合意を取る進め方に変更。商談から成約までの期間を短縮した。
営業職は目標達成率・順位・担当規模が最も伝わる数字です。詳しくは営業職の実績の書き方を参照してください。
例文2:事務職
【業務内容】営業部門(営業20名)の営業事務として、受発注処理・請求書発行・顧客対応を担当
・受注データ入力、納期管理(月間約300件)
・請求書発行、入金確認、月次の売上集計資料の作成(Excel:VLOOKUP・ピボットテーブル使用)
・電話・メールでの顧客からの問い合わせ一次対応(1日平均20件)【工夫】紙で回覧していた受注確認フローをスプレッドシートでの共有に変更し、確認待ちによる処理遅れを削減した。
事務職は「何の処理を・月何件・どのツールで」の組み合わせで正確性と処理能力を示します。事務職の職務経歴書の書き方も参考にしてください。
例文3:ITエンジニア
【プロジェクト】小売業向けECサイトのリニューアル開発(開発期間10ヶ月/チーム8名)
【役割】バックエンド開発担当(要件定義〜結合テスト)
【環境】Java / Spring Boot / PostgreSQL / AWS(EC2, RDS)/ GitHub
【担当内容】
・商品検索・在庫管理APIの設計・実装
・既存システムからのデータ移行バッチの開発
・結合テスト仕様書の作成、後輩1名のコードレビュー
エンジニアはプロジェクト単位で「規模・役割・技術環境・担当フェーズ」を書くのが定石です。言語・フレームワークは省略せず正式名称で列挙します。
例文4:販売・サービス職
【業務内容】アパレル店舗(スタッフ8名・売場約60坪)での接客販売・売場運営
・接客、フィッティング対応、レジ、在庫管理、ディスプレイ変更
・新人スタッフ2名のOJT担当
・SNSアカウントでの入荷情報発信を担当【実績】個人売上で店舗内1位を複数回獲得。顧客登録数の店舗目標達成に貢献
【工夫】リピーター顧客の好みをスタッフ間で共有するノートを作り、指名来店時の接客を引き継げるようにした。
例文5:製造・技術職
【業務内容】自動車部品の組立ライン(1直20名)でのオペレーターおよび品質チェック
・プレス部品の組立、外観検査(1日約500個)
・不良品発生時の記録・報告、月次の品質ミーティングへの参加
・フォークリフトでの部材運搬(フォークリフト運転技能講習修了)【工夫】検査工程で見逃しやすい不良の実物サンプルを工程横に掲示することを提案し、採用された。
数字がない仕事を定量化する4つの軸
「売上◯%アップ」のような成果数字を持っている人は多くありません。それでも、次の4つの軸ならほとんどの仕事で数字を出せます。
- 件数:処理件数、対応件数、担当社数(例:月間300件の受発注処理)
- 頻度:日次・週次・月次のサイクル(例:週次の在庫棚卸を担当)
- 人数:チーム人数、指導した人数、対応した顧客数(例:新人2名のOJT担当)
- 時間・期間:担当年数、プロジェクト期間、短縮した時間(例:月次締め作業を2日から1日に短縮)
これらは成果ではなく規模の数字ですが、採用側が知りたい「どのくらいの仕事量を回せる人か」に直接答えます。
NG→OK ビフォーアフター
| NG(抽象的) | OK(具体的) |
|---|---|
| 営業として幅広い業務を担当 | 食品メーカー向けの包装資材のルート営業(担当40社・月間訪問45件) |
| 電話対応やデータ入力などの雑務 | 1日平均30件の電話一次対応と、受注データ入力(月間約250件) |
| コミュニケーション能力を活かして業務を円滑化 | 営業と製造の仕様伝達ミスを防ぐため、受注時の確認項目リストを作成し部内で共有 |
| Excelが得意 | Excelで月次売上集計を担当(VLOOKUP・ピボットテーブル・簡単なマクロ) |
共通するのは、「何を」を固有名詞に、「どのくらい」を数字にすることだけです。特別な実績を作文する必要はありません。
仕上げのチェックリスト
- 応募先の求人票にある業務と重なる経験が、上のほうに・厚めに書かれているか
- 1つの職務の記述が長すぎないか(目安:5〜10行。A4で2枚以内)
- 社内用語・略語をそのまま使っていないか(社外の人に通じる言葉に置換)
- 数字はすべて事実か。面接で深掘りされて説明できるか
- 職務要約・自己PRと矛盾していないか(職務要約の書き方)
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よくある質問
職務経歴書に決まった様式はありますか?
ありません。履歴書には厚生労働省の様式例がありますが、職務経歴書は自由形式で、A4縦1〜2枚にまとめるのが一般的です。時系列で書く編年体・新しい順に書く逆編年体・業務分野ごとにまとめるキャリア式から、自分の経歴が伝わりやすい形式を選びます。
業務内容はどこまで細かく書くべきですか?
担当した業務を全部並べるのではなく、応募先の仕事に関係する業務を優先して書きます。1つの職務につき、業務内容・規模(担当件数や人数)・自分の役割・実績・工夫の5要素が伝われば十分です。関係の薄い業務は1行にまとめるか省略して構いません。
成果を数字で示せない仕事はどう書けばいいですか?
売上のような成果数字がなくても、件数・頻度・人数・時間で仕事の規模は示せます。「電話対応」ではなく「1日平均30件の電話対応」、「後輩指導」ではなく「新人2名のOJT担当」のように、実際に把握している範囲の数字を添えるだけで具体性が大きく変わります。
経歴を少し盛るのはありですか?
経歴・実績の誇張や虚偽はNGです。面接で深掘りされて答えられなければ不信感につながり、入社後に発覚すれば経歴詐称として処分の対象になり得ます。一方で「応募先に関係する業務を選んで詳しく書き、関係の薄い業務を省く」のは盛るのではなく編集であり、むしろ必要な作業です。
業務内容と職務要約は何が違いますか?
職務要約は冒頭に置く3〜4行のダイジェストで、経歴全体の概要を伝えるもの。業務内容は会社・部署ごとの具体的な職務の明細です。採用担当者はまず職務要約を読んでから詳細に進むため、両方の役割を分けて書くと読みやすくなります。