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履歴書・職務経歴書 11分で読める

薬剤師の職務経歴書の書き方|業態別の前提情報と2026年6月改定後の書き方

薬剤師の職務経歴書は、処方箋枚数と応需科目を先に書くだけで読まれ方が変わります。調剤薬局・病院・ドラッグストア・企業での経験の書き分け、研修認定や管理薬剤師の書き方、2026年6月の調剤報酬改定で廃止・改称された加算名の扱いまでまとめました。

30秒でわかる結論

最初に薬局・施設の前提を書く。業態・処方箋枚数・応需科目・薬剤師の人数。これがないと「調剤業務に従事」としか読めません。

業務は件数と範囲で。在宅の訪問件数、無菌製剤処理、麻薬の取扱、指導した人数まで書きます。

加算名は現在の名称で。2026年6月の改定で廃止・改称された加算があります。旧名称のままだと情報が古い印象になります。

まず薬局・施設の前提情報を書く

薬剤師の職務経歴書で最も多い失敗は、「調剤業務、服薬指導、在庫管理に従事」で終わってしまうことです。薬剤師の業務は、業態と応需している診療科によって中身が大きく変わります。前提情報がなければ、採用側は経験の中身を判断できません。

各職歴の冒頭に、次のブロックを置いてください。

記入例(薬局情報のブロック)

株式会社◯◯薬局 △△店 2019年4月〜2026年3月

【業態】保険調剤薬局(同一法人30店舗・地域連携薬局の認定あり)
【応需】1日平均約80枚。門前は内科・整形外科。近隣の皮膚科・小児科からの応需あり
【体制】薬剤師4名(うち管理薬剤師1名)、医療事務3名
【在宅】居宅10件・施設1件(月あたり訪問約30件)を担当
【システム】レセコン◯◯/電子薬歴△△
【役割】薬剤師(2019年4月〜2023年3月)→ 管理薬剤師(2023年4月〜2026年3月)

このブロックがあるだけで、処理量、扱ってきた薬剤の傾向、在宅への関与度、店舗内での立ち位置がおおむね伝わります。とくに1日あたりの処方箋枚数と薬剤師の人数はセットで書いてください。枚数だけでは1人あたりの負荷がわかりません。

業態によって評価される経験が違う

業態 書類で伝わる経験
調剤薬局(門前)特定診療科の処方への習熟、処理スピード、疑義照会の判断、患者対応
調剤薬局(面応需)診療科の幅、多様な処方への対応、他科の併用薬チェック
在宅対応の薬局訪問件数、多職種連携、残薬調整、一包化・簡易懸濁、無菌製剤処理
病院・クリニック病棟業務、注射薬の調製・混注、持参薬鑑別、チーム医療(NST・ICT・緩和など)、当直
ドラッグストア(調剤併設)調剤とOTCの両方、受診勧奨の判断、売場・在庫の管理、スタッフの管理
ドラッグストア(OTCのみ)要指導医薬品・一般用医薬品の販売、相談対応、登録販売者の指導
製薬企業・CRO等DI業務、安全性情報、学術、CRA・CRCとしての試験運営、文書作成

業態が違う先へ応募しても不利にはなりません。ただし、応募先で必要になる経験(たとえば病院から在宅対応薬局なら、患者宅での単独判断と多職種との連絡)について、対応できる根拠を書いておくと選考が進みやすくなります。

担当業務は「枚数」と「範囲」で書く

「調剤、監査、服薬指導」と並べるだけでは、どの薬局の経験でも同じ記述になります。件数や体制まで含めて書きます。

伝わりにくい 伝わる
調剤業務全般1日平均80枚の調剤・監査。一包化は1日あたり約15件、粉砕・簡易懸濁の対応を含む
在宅業務居宅10件・施設1件を担当(月あたり訪問約30件)。担当者会議への出席、残薬の調整と医師への情報提供
疑義照会重複投薬・相互作用に関する疑義照会を月10件前後。照会内容と結果を薬歴に記録し、店舗内で共有する運用を担当
在庫管理医薬品の発注・期限管理(約1,200品目)。麻薬・向精神薬の帳簿管理と保管を担当
後輩指導新入社員2名のOJT担当、実務実習生の受け入れ(年2名)。手順書を整備し、独り立ちまでの期間を短縮

数字に置き換える作業が難しい場合は、実績を数字に置き換える手順を参考にしてください。自分では当たり前になっている業務ほど、書き出すと範囲の広さが見えてきます。

資格と研修認定の書き方

薬剤師免許は取得年月とともに記載します。そのうえで採用側が確認したいのは、研修認定を現在も維持しているかです。認定には有効期限があり、更新しているかどうかで学習の継続性が読み取られます。

よくある書き方 伝わる書き方
薬剤師薬剤師免許(2019年4月取得・登録番号は記載不要)
認定薬剤師研修認定薬剤師(◯◯研修センター認定・2024年◯月取得/2028年◯月まで有効)
実習指導認定実務実習指導薬剤師(2023年◯月認定)
勉強中研修認定薬剤師 2027年◯月取得見込み(単位取得中)

専門薬剤師・認定薬剤師(がん、感染制御、緩和医療、妊婦・授乳婦、糖尿病など)を持っている場合は、認定団体名と取得年月まで書きます。同じ「認定薬剤師」でも認定団体によって要件が異なるため、団体名がないと評価できません。資格欄そのものの整え方は履歴書の資格欄の書き方にまとめています。

2026年6月の改定は職務経歴書にも影響する

2026年(令和8年)6月施行の調剤報酬改定で、薬局の業務評価の枠組みが変わりました。書類の書き方に関係するのは次の2点です。

「かかりつけ薬剤師指導料」は廃止された

かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括管理料は廃止され、かかりつけ薬剤師が行った場合の評価は服薬管理指導料の区分に組み込まれました。あわせて、電話等による継続的な確認を評価する「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」、患家への訪問を評価する「かかりつけ薬剤師訪問加算」が新設されています。

職務経歴書では、廃止された算定名をそのまま書くより、実際に何をしていたかを書くほうが確実です。「かかりつけ薬剤師として担当患者◯名の服薬管理を継続的に担当。電話による服薬状況の確認と、残薬調整のための訪問を実施」のように、業務の実態で書きます。

かかりつけ薬剤師の要件は転職の前後で変わる

かかりつけ薬剤師として指導等を行う薬剤師の要件は、改定後、次のようになっています。

要件 内容 転職で引き継げるか
勤務経験保険薬剤師として3年以上の保険薬局勤務経験(保険医療機関の薬剤師としての勤務経験が1年以上ある場合、1年を上限として算入できる)引き継げる
勤務時間当該薬局に週31時間以上勤務(育児休業・介護休業等の措置により所定労働時間が短縮された場合は週24時間以上かつ週4日以上)勤務先の条件次第
在籍期間当該薬局に継続して6か月以上在籍(産前産後・育児・介護休業からの復職時は、同一薬局であれば休業前の在籍期間を合算できる)引き継げない
研修認定薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること引き継げる
地域活動医療に係る地域活動の取組に参画していること内容による

ここから、職務経歴書に書いておくべきことが決まります。

  • 保険薬局での勤務年数:在籍期間を月単位で正確に書く(複数店舗・複数社なら通算がわかるように)
  • 病院勤務の経験:1年を上限として勤務経験に算入できるため、病院から薬局へ移る人は必ず書く
  • 研修認定の取得状況と有効期限:採用側は届出の可否を確認したい
  • 地域活動の実績:学校薬剤師、健康イベントへの参加、薬剤師会の活動など

在籍期間の要件が1年以上から6か月以上に短縮されたため、転職後にかかりつけ薬剤師として届け出るまでの期間は以前より短くなりました。応募先が在宅やかかりつけ機能に力を入れている場合、この点は面接で確認される可能性があります。

廃止・改称された加算名をそのまま書かない

自己PRや職務内容で加算名に触れることがありますが、旧名称のままだと情報が更新されていない印象になります。2026年6月の改定で変わった主なものは次のとおりです。

改定前 改定後
地域支援体制加算地域支援・医薬品供給対応体制加算へ改称(評価も見直し)
後発医薬品調剤体制加算撤廃
かかりつけ薬剤師指導料/包括管理料廃止(服薬管理指導料の区分と新設加算へ再編)
調剤管理加算廃止
医療情報取得加算廃止

体制に関わる経験を書くなら、「地域支援体制加算の届出に必要な実績要件の管理を担当」ではなく、「地域支援・医薬品供給対応体制加算(改定前の地域支援体制加算)の届出に必要な実績の集計と、月次での進捗管理を担当」のように、現在の名称を先に書いて旧名称を補足します。

管理薬剤師の経験は「法令上の職務」に沿って書く

管理薬剤師の経験がある場合、「管理薬剤師として店舗運営を担当」だけでは何をしていたかが伝わりません。管理者の義務は法律で定められているため、その枠に沿って書くと範囲が正確に伝わります。

医薬品医療機器等法(薬機法)第8条第1項は、薬局の管理者について、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように「その薬局に勤務する薬剤師その他の従業者を監督し、その薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し、その他その薬局の業務につき、必要な注意をしなければならない」と定めています。また同条第2項では、薬局の業務について薬局開設者に対し必要な意見を書面により述べることが管理者の義務とされています。

この3つに沿って書くと、次のようになります。

記入例(管理薬剤師の職務)

【従業者の監督】薬剤師4名・医療事務3名のシフト作成、新入社員2名のOJT、実務実習生の受け入れ(年2名)

【構造設備・医薬品の管理】医薬品約1,200品目の発注・期限管理、麻薬および向精神薬の帳簿管理と保管、冷所保管品の温度記録、医薬品の供給不足時の代替提案と医療機関への連絡

【業務上の意見具申・その他】本部に対する人員体制と設備更新に関する意見書の提出、保健所の立入検査への対応、副作用報告およびヒヤリ・ハット事例の収集と再発防止策の策定

なお、薬局の管理者は原則として、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事することができません(同法第7条第4項。その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合を除く)。副業の可否を確認したい場合は、この点も踏まえて応募先に確認してください。

業態をまたぐ転職の書き方

病院から薬局へ

病院薬剤師としての勤務経験は、かかりつけ薬剤師の要件上、1年を上限として保険薬局の勤務経験に算入できます。そのうえで、病棟業務で培った内容のうち薬局で使えるものを書き出します。持参薬鑑別、薬歴の読み取り、医師への処方提案、注射薬の知識、退院時カンファレンスでの説明などです。在宅に力を入れている薬局では、病棟での多職種連携の経験が直接つながります。

薬局から病院へ

病院は経験年数より、担当できる領域が問われます。応需していた診療科、扱っていた薬剤の領域(抗がん剤、抗菌薬、精神科領域など)、無菌製剤処理の経験、学会や研修への参加実績を具体的に書きます。当直や病棟業務への対応可否も、書類の段階で触れておくと条件の確認が早く進みます。

調剤薬局からドラッグストアへ、またはその逆

調剤併設のドラッグストアでは、調剤に加えてOTCの相談対応、受診勧奨の判断、売場と在庫の管理、登録販売者を含むスタッフの管理が業務に入ります。調剤薬局からの応募であれば、OTCの相談経験や、生活習慣に踏み込んだ服薬指導の経験を書いておくとつながりが見えます。逆にドラッグストアから調剤薬局へ移る場合は、1日の処方箋枚数と、対応していた診療科を必ず書いてください。

薬局・病院から企業へ

製薬企業のDI・学術・安全性情報、CROのCRA、SMOのCRCなどへ移る場合、評価されるのは文書を書く力と、根拠にあたる習慣です。添付文書やインタビューフォームを読み込んで疑義照会した経験、院内・店舗内の勉強会で資料を作成した経験、副作用報告を行った経験を、件数とともに書きます。臨床での判断経験がそのまま職務要約の柱になります。

転職理由の書き方

薬剤師の転職理由は、人員不足による負荷、残業、転居を伴う異動、給与、在宅や病棟など業務内容の希望と、実務的な事情であることが多い分野です。ただし、書類に不満をそのまま書くと後ろ向きな印象だけが残ります。

書類では志望動機として、次のような形に組み替えます。

  • 門前の1科に特化した経験を、複数科の処方に対応できる面応需の環境で広げたい
  • 在宅への関与を増やし、居宅・施設での服薬管理まで担当したい
  • 病棟業務で培った処方提案の経験を、地域の患者への継続的な関わりに活かしたい
  • 管理薬剤師として店舗運営を担当した経験を、複数店舗の支援やエリアの体制づくりに広げたい

事実と違うことを書く必要はありません。前職の問題点を並べる代わりに、次の職場でやりたいことを書く、という置き換えです。整理の手順は退職理由の書き方にまとめています。

記入例:門前薬局から在宅対応の薬局へ

職務経歴書(抜粋)

■ 職務要約

保険調剤薬局にて7年間勤務し、うち直近3年は管理薬剤師として店舗運営を担当しました。内科・整形外科の門前で1日平均80枚を応需し、並行して居宅10件・施設1件の在宅訪問を担当しています。薬剤師4名・医療事務3名の体制管理と、新入社員および実務実習生の指導を行ってきました。

■ 保有資格

2019年4月 薬剤師免許
2024年6月 研修認定薬剤師(◯◯研修センター認定・2028年6月まで有効)
2023年3月 認定実務実習指導薬剤師
2017年8月 普通自動車第一種運転免許

■ 職務経歴

(前掲の薬局情報のブロック)

・1日平均80枚の調剤・監査・服薬指導。一包化は1日あたり約15件
・在宅:居宅10件・施設1件を担当(月あたり訪問約30件)。担当者会議への出席、残薬の調整と医師への情報提供
・疑義照会:重複投薬・相互作用に関する照会を月10件前後。内容と結果を薬歴に記録し店舗内で共有
・管理薬剤師:薬剤師4名・医療事務3名のシフト管理、麻薬・向精神薬の帳簿管理、保健所の立入検査対応
・新入社員2名のOJT、実務実習生の受け入れ(年2名)。調剤手順書を整備

■ 志望動機(抜粋)

門前での応需と並行して在宅に関わるなかで、患者さんの生活まで含めて服薬を支える業務に手応えを感じてきました。貴社は在宅の比率が高く、無菌製剤処理にも対応されていると伺っています。これまでの在宅経験と、管理薬剤師としての体制づくりの経験を、より多くの患者さんの在宅療養の支援に活かしたいと考えています。

職務経歴書全体の構成や分量の目安は職務経歴書の基本の書き方を参照してください。

まとめ

  • 業態・処方箋枚数・応需科目・薬剤師の人数を、各職歴の冒頭に書く
  • 業務は在宅の訪問件数、疑義照会の件数、管理品目数など、件数まで含めて書く
  • 研修認定は認定団体名・取得年月・有効期限まで書く
  • 保険薬局での在籍期間は月単位で正確に。病院勤務の経験も必ず書く
  • 加算名は2026年6月改定後の名称で書き、旧名称は補足にとどめる
  • 管理薬剤師の経験は、従業者の監督・物品の管理・意見具申の3つに分けて書く
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よくある質問

薬剤師の職務経歴書には何を書けばいいですか?

勤務先の業態(調剤薬局・病院・ドラッグストア・企業など)、1日あたりの処方箋応需枚数、門前や応需している主な診療科、薬剤師の人数と体制、自分が担当していた業務範囲です。同じ「薬剤師」でも業態と応需科目によって経験の中身がまったく違うため、この前提情報がないと採用側は経験を評価できません。

処方箋枚数は職務経歴書に書いたほうがいいですか?

書いてください。1日あたりの応需枚数と薬剤師の人数がわかると、1人あたりの処理量と業務スピードが伝わります。枚数が少ない薬局の経験でも不利にはなりません。枚数が少ない場合は、その分だけ在宅対応や服薬指導に時間をかけていたなど、業務の中身で補足します。

かかりつけ薬剤師の要件は、転職するとリセットされますか?

一部はリセットされます。保険薬剤師としての3年以上の勤務経験は通算されますが、「当該保険薬局に継続して6か月以上在籍していること」という要件は転職先で改めて満たす必要があります。2026年6月の改定でこの在籍期間が1年以上から6か月以上に短縮されたため、転職後に要件を満たすまでの期間は以前より短くなりました。研修認定の取得状況は職務経歴書に必ず書いてください。

管理薬剤師の経験はどう書けばいいですか?

「管理薬剤師」という肩書きだけでなく、実際に担当した管理業務を分けて書きます。従業者の監督(シフト管理・教育)、構造設備と医薬品の管理(麻薬・向精神薬の管理、温度管理、在庫と期限の管理)、薬局開設者への意見具申、行政の立入検査への対応などです。薬機法で管理者の義務として定められている内容に沿って書くと、経験の範囲が正確に伝わります。

認定資格を持っていない場合はどう書けばいいですか?

資格欄が薬剤師免許のみでも問題ありません。その場合は業務経験の具体性で補います。在宅訪問の件数、無菌製剤処理や麻薬の取扱経験、応需していた診療科、レセプトコンピュータや電子薬歴のシステム名、後輩や実習生の指導経験などです。取得予定の研修認定がある場合は、取得見込み時期を書いておくと学習の継続性が伝わります。

参考:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」(令和8年7月1日版)e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」第7条・第8条

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